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薬価制度改革、「新しいルールをつくっていく」―遠藤久夫・中医協会長


■ 「自由な商取引に行政介入は限界」


[遠藤部会長] 
 (後発品のある先発品の特例引き下げに)引き続いて、あと2つ、検討課題がある。「薬価改定の頻度」と「後発品の収載頻度」について、これに関連するデータの質問、ご意見。主に資料の質問という形になるのかもしれないが、経済課から重要なデータが出ている。

 (しばらく沈黙)

 「薬価改定の頻度」の中で、調査結果が出ているが、例えば「総価取引」は薬価改定の頻度だけに関連するものではなく、個別の薬剤の薬価を算定する上で、「総価取引の比率が高いとどのような意味を持つのか」という議論。
 「薬価改定の頻度」に限定した話ではなく、幅広く、調査結果から、今後の薬価改定の在り方についてご意見をいただきたい。いかがだろうか。
 ※ 「総価取引状況」について、同部会での厚労省の説明は、こちらをご覧ください。

[山本信夫委員(日本薬剤師会副会長) ]
 「薬価改定の頻度」について。医療費全体に及ぼす薬価の影響が議論に上ったが、薬価そのものの改定率が医療費全体に影響を与えるとすれば、薬価の改定は診療報酬の改定と一緒にならないと、全く違った数字が出てくる。

 今回の調査を見ても、1年が長いか短いかという議論がさらにあるかもしれないが、これまでの調査結果よりは数段、妥結率が上がってきている。そこは、流通改善が進んだと理解すべきだろう。そうなれば、薬価改定のそもそものスタートが、妥結率が少ない、改定年になると、突然妥結をするという指摘があったことからすれば、もう少し推移を見ながら、2年に1回の改定でもいいのではないか。特段、頻回にするということがなくても、今回はいいのではないか。

[遠藤部会長] 
 はい、ありがとうございます。ほかに。対馬委員、どうぞ。

[対馬委員]
 頻回改定ではなく、「総価取引」の妥結率の問題について。妥結については、随分ご尽力いただいたようで、大変ありがとうございます。さらなるご尽力をお願いしたい。

スライド2_薬価部会5月27日.jpg ただ、「総価取引」との関係、実態がどうなのかが見えない。資料(スライド2)に、「総価取引状況」があって、病院の方は理解できる。しかし、調剤薬局チェーンの平成20年度の全品総価契約は1.2%しかない。大変少ない。ただ、見方によっては、「単品総価契約」が、平成19年度の45.9%から平成20年度に30.5%。

 これに対し、「全品総価契約」は平成19年度の53.2%から、1.2%。「全品総価契約」は、平成20年度に「全品総価契約」と「全品総価除外あり」に分けたということだが、「カテゴリーを少し分けました」ということになっていないか。つまり、「全品総価除外あり」というのは、本当に例外的な除外があれば、すべてそれを「全品総価除外あり」に計上したのなら、実態はほとんど変わっていないということになりかねない。
 (総価取引の)実態が変わったのか、それとも単に整理の仕方が変わったのか?

[遠藤部会長] 
 経済課長、お願いいたします。

[木下経済課長]
 調剤薬局チェーンについて、「単品契約」が0.9%から18.1%に伸びている。「総価契約」については、「全品総価契約」の53.2%の一部が、「全品総価除外あり」に。「除外あり」というのは、オーファンドラッグとか、麻薬とか。そういう部分にシフトしたのもある。

 ただ、53.2%のうち、50.2%ができるだけ「単品総価契約」や「単品契約」にシフトすることが、これからウォッチして、指導していかなければいけない部分だろう。できるだけ、「単品契約」、あるいは「単品総価契約」にシフトするよう努力したい。

[遠藤部会長] 
公益委員.jpg ありがとうございます。
今、「総価取引」の話が出たので、私も意見を述べさせていただきたい。今回、関係者のご努力で、「総価取引」の割合が非常に低下してきた。とはいえ、薬局チェーンは8割はまだ「総価契約」だし、200床以上の病院だと、4割が「総価契約」。

 今後の推移を見る必要があるとは思うが、適正な薬価を形成するために、正しいデータを得るために、そもそも自由な商取引に行政が介入するというのは自ずと限界があるのではないかという気がする。

 となると、全体でどのぐらいが「総価取引」されているのか分からないが、本当に「総価取引」の割合が多いなら、薬価の改定の方法を、中医協として、こういうこと(総価取引があること)を前提に、新しいルールをつくっていくことが必要なんだろうなあと。その辺も視野に入れていく必要があるのではないかと思う。

 例えば、方法は無数にあるのだろうが、例えば、(先発品と後発品)全体で薬価がどのぐらい下がったか、平均的に下がったものをベースにしておいて、後は個別取引の中で行われている個別の製品の価格を値下げ率で調整するなど、いろいろなやり方がある。そういう形でやるとか、何らかの新しいルールを決めていく必要があるのかもしれないと思っている。

 もちろん、総価取引がだんだんなくなっていくのであれば問題はないが、現実問題として、競争が非常に低い薬剤でも値段が下がるのは、「総価取引」の影響が大いにあると思うので、「総価取引」がなくなるよう、何らかの上手い方法を構築する必要がある。

 個別取引だけを取り上げてやってしまうと、引き下げ率が、どうしてもバイイング・パワーが小さいところでしかデータが集まらないので、全体の下げ率が少なくなってしまうので、何らかの工夫をしながら考える必要がある。これは中医協の仕事として、努力としてできる話。流通そのものにどこまで介入できるかというのは自ずと限界がある。これは単に、公益委員の1人としての意見だとご理解いただきたい。

 ほかにご意見は。よろしいだろうか。それでは、これについても今後、議論を続けていきたい。どうもありがとうございました。

 それから、今までの議論を踏まえて資料をまた作っていただく、論点を再整理していただくという形にして、ほかの検討課題もあるので、それと絡めながら議論を進めていきたい。(以下、略)

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