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都の周産期搬送コーディネーター、今秋にも開始へ

 東京都は7月29日、妊婦や新生児の搬送調整を行う助産師を「周産期搬送コーディネーター」として、今秋をめどに東京消防庁に設置することを決めた。(熊田梨恵)

 昨年度に都内で起こった妊婦の救急受け入れ不能の問題を受け、都は昨年秋から妊婦や新生児を搬送する場合に調整役を担うコーディネーターの設置を検討してきた。同日開いた周産期医療協議会で了承された。
 
 コーディネーターとなる助産師は、医療機関に入院している妊婦に搬送が必要になった場合に送られる転院搬送や、妊婦が早産や急病になった場合などに119番通報を受けて行われる救急搬送、新生児のみを送る新生児搬送を調整する。
 
 転院搬送では、搬送を依頼する産科施設が通常連携している施設との調整がうまくいかなかった場合、地域の総合周産期母子医療センターにファクスと電話で受け入れと調整を依頼。センターは地域内で受け入れ先を探すが、見つけられなかった場合にコーディネーターに搬送先選定を依頼する。この時、搬送依頼元の産科施設もファクスでコーディネーターに連絡する。コーディネーターは都内の他地域の周産期センターなどを探し、決まれば依頼元の産科施設が救急車を呼ぶ。コーディネーターが搬送先を決められなかった場合は「総合周産期センター等の責任により対処する」としており、最終的には総合周産期母子医療センターによる受け入れなどを想定している。
 
 救急搬送の場合、これまでは救急隊が搬送先医療機関を探していたが、このシステムでは救急隊が現場で妊婦や新生児に関する搬送と判断すると、まずは各消防本部に医療機関の選定を依頼する。消防本部はコーディネーターに連絡し、コーディネーターは地域の総合周産期母子医療センターに受け入れを要請する。センターが受け入れられなかった場合、コーディネーターは地域内外で搬送先を調整し、消防本部や救急隊も同時に受け入れ先を探す。受け入れ先が見つからなかった場合は、転院搬送と同様に総合周産期母子医療センターが受け入れるなどして調整する。
 
  コーディネーターは非常勤の助産師7人をシフトで回す予定。都は今秋のスタートを目指しており、今月中にも都内の各産科医療機関にコーディネーターの実施について周知するとしている。

 専門部会でコーディネーターの具体的な役割などを検討してきた楠田聡委員(東京女子医科大教授)は「機能についても可能なものを入れさせて頂いた。東京全体で動き出せばかなりのパワーになる」と述べた。

 また、都は今年3月から、心臓や脳の疾患などで救命が必要な状態の妊婦を必ず受け入れる「スーパー総合周産期センター」のシステムを開始しており、各消防本部が調整している。コーディネーターが稼働すると、転院搬送の場合、最初は消防本部ではなく総合周産期母子医療センターに産科施設からの連絡が行くようになる。情報を受け取ったセンター側が「スーパー」に該当するケースと判断した場合は、産科施設が119番通報をして消防本部に依頼するとしている。
 
 
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