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ニュース〜医療の今がわかる

『患者の経済負担を考える』


続いて、『卵巣がん体験者の会スマイリー』の片木美穂代表。
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「私の自己紹介は、どなたかウィキペディアに書いてくださった方がいるので、興味があればそちらをご覧いただきたい。
 
 まず卵巣がんについて簡単に説明すると年間約8000人が罹患し、約4500人が亡くなっている。自覚症状に乏しく検診などでも発見しづらいことから多くが進行がんとして発見される。抗がん剤が比較的よく効くと言われているが、しかし進行がんで発見されることが多いこともあって、再発・再燃する人が多い。卵巣がんの治療の初回標準治療は、世界の多くが<タキサン+プラチナ>の併用療法で行っていて、日本でも『タキソール+カルボプラチン』で行われている。しかし、耐性やアレルギーが出てしまった場合、治療の選択肢がほとんど残されていない。セカンドライン以降、NCCNガイドラインではジェムシタビン、ドキソルビシン、トポテカンとなっていて、日本でも再発卵巣がんの化学療法ガイドラインでは『ジェムシタビン単剤、ドキシル単剤、トポテカン単剤』となっているのだけれど、ドキシルが今年4月に適応として認められた以外は適応外。ガイドラインに載っているのに適応外だ。

 ここでスマイリーがどのようにできたか紹介すると、06年に当時44歳のAさんが国内でできる治療法がないと言われ、しかし当時サーフィンができるぐらいに元気だったことからあきらめきれず、個人で調べてみて99年に米国で承認され世界75カ国以上で再発卵巣がんの治療に使われていた抗がん剤『ドキシル』の存在を知った。混合診療の問題があったことから、未承認薬を投与してくれる医師を探して個人輸入して治療を受けた。ところが1回の点滴で60万円にもなった。たまたま、その人は独身で財産を整理すれば治療を受けることは可能だったけれど、こういう状態はおかしいのでないかとネットで呼びかけ、それに応じて集まったメンバーでいろいろと調べるようになった。これがきっかけでできたのがスマイリー。

katagisiryou.JPG このように世界で当たり前の治療が日本では悉く『適応外』で受けれらないことになっていた。そこで06年に28603筆、08年に154552筆の署名を集めて厚生労働省や企業に働きかけた。大変前向きに話をしてもらって、ドキシルに関しては今年の4月に2年という異例の早さ、マスコミ報道ではそういうことになっていた、で承認された。でも、依然としてジェムザールやトポテカンは適応外のまま、早く承認してほしい。

 ただしジェムザールの場合、患者さんの中には問題になっていることを知らない人も多いかもしれない。卵巣がん患者に適応外使用している病院が少なくないために、本当は使えないんだということを患者が気づいていない。しかしレセプトのオンライン化などが進むと、そういう医療機関側の裁量も狭まるのでないかということを心配している人もいる。それに適応外は一切しないという病院もある。最初に病院の選択を間違えると、治療法がなくなってしまう可能性があるわけで、がんだというだけで大変なのに、最初の段階で再発後のことまで考えて病院を選ぶ人なんて普通はいないし、どの病院がどういう治療をしているかなんて分からない。

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