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〔自律する医療④〕パイオニアの心意気

 亀田メディカルセンターのJCI認証取得を追うシリーズ4回目。
 前回まで(1回目 2回目 3回目

johnwalker0827.JPG 「個人的には十分パスすると思っていた。でもリスクは確かに大きかった」と事務局のもう1人の責任者だったジョン・ウォーカー特命副院長は日本語で振り返る。「パスできなかったら恥ずかしい。他の病院が注目しているから、なんだ亀田、ダメじゃないかと言われる」

 「でも亀田がパスしたら、他の病院もやろうかという話になる。最初にやるのが、パイオニアのスピリッツ」

 横須賀米海軍病院出身のウォーカー氏は、91年から亀田総合病院に勤務しており、JCAHOの時代から亀田に認証を受けさせたいとずっと思っていた。95年にJCIの基準案ができた時には、それが日本の医療機関に適用可能かどうか評価するようJCから依頼を受け、時間と労力をかければ、いくつかの機関では可能かもしれないという結論に達していたという。ちなみに今回の準備にあたっては、JCの実際の審査を沖縄米海軍病院で見せてもらったり、横須賀海軍病院のスタッフに模擬審査を実施してもらったり、本番で通訳をしてもらったりと、このウォーカー氏のコネクションが最大限に生かされた。

 JCIができた当初からウォーカー氏に提案を受けていた亀田隆明理事長は「いずれは必要になるだろう。ただ最初は彼らも米国と他国の文化の違いを調整するのに手間取るだろうから、その辺が落ち着いた後に受けよう」と考えたという。現実問題として、老朽化した病棟では施設基準を満たすのにかなり苦労しそうだという予測もあり、05年竣工の自慢のKタワーが本格稼動してからという判断になった。ウォーカー氏も、Kタワーが稼動すれば大丈夫と見ていた。

 Kタワーが稼動して4年半後と妙に半端な時期に受審することになったのにも理由があった。直後の総選挙で民主党が大勝し、医療費抑制策が見直されるのは確実な情勢になったので、守りから攻めへ転じる好機を見越して受審したように見えるかもしれない。だが準備をスタートしたのは07年の5月。まだ安倍内閣時代だ。

 「ピークが二つあると職員が耐えられなくなるので一つにした」とウォーカー氏。

 実は、今年5月に病院機能評価の5年間の有効期限が切れることが決まっていた。8月には、3年間有効のISO9001の更新審査も行われることになっていた。この間に、JCIの受審を入れ込んだのだ。しかも5月に病院機能評価をいったん失効させ、7月から始まったver.6審査を一番手グループで受けるということまでやった。それもこれも、「バーの高いJCI受審に向けての力一杯の助走としたかったため」(松元和子広報課長)だそうだ。

 ここまではウォーカー氏の思い描いた通りに進んできていると言える。だが、「他の病院も」という点に関しては、「できればやってほしい」と亀田隆明氏、信介氏の兄弟が口をそろえるような望み通りには進まないかもしれない。

つづく

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