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11月18日の中医協 (ブリーフィング)

11月18日の中医協.jpg 厚生労働省は11月18日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の総会と基本問題小委員会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行ったブリーフィング(記者説明)の模様をお伝えする。(新井裕充)

【前回までの中医協】
○ 11月13日の中医協 (ブリーフィング)
○ 11月11日の中医協 (ブリーフィング)
○ 11月6日の中医協 (ブリーフィング)
○ 11月4日の中医協 (ブリーフィング)


■ 総会 ─ 医療経済実態調査に係る意見
 

[保険局医療課・早川補佐]
 今日は、前回(安達秀樹委員・京都府医師会副会長)から要望があった資料(の一部)を出させていただいたのと、各委員から実調(医療経済実態調査)の分析に関する資料が出されました。説明というか、議論は今日の通りでございます。

 ▼ 医療経済実態調査の解釈について、支払側の白川修二委員(健保連常務理事)、診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)、渡辺三雄委員(日本歯科医師会常務理事)、三浦洋嗣委員(日本薬剤師会理事)が意見を述べた。
 意見交換では、▽回答率(データの代表性) ▽調査の時期・方法等 ▽入院基本料の一律引き上げの是非 ▽賃金や物価水準の動向と診療報酬との関係 ▽診療報酬と補助金との関係─など、幅広い議論が展開された。
 回答率が低いことについて鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)が「当てにならないと思わないか?」などとデータの信頼性を疑問視したが、白川委員はサンプル数が少ないことは認めつつも、「そんなことはない」ときっぱり否定した。
 調査の時期・方法については、邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)が「定点が多くないと変動が分からない」として毎年実施することを要望。議論の結果、次々期の2012年度改定に向けて調査実施小委員会で検討を進める方向で合意した。
 入院基本料を一律に引き上げるかどうかも議論になった。発端は西澤委員が提出した実調の分析資料。それによると、「15:1以外はすべて赤字であり、10:1が最も悪い」としながらも、入院基本料の「一律」の増額を求めている。これを白川委員が指摘、「メリハリが必要」と改めて主張した。西澤委員はすべての病院が算定する入院基本料を底上げした上での「メリハリ」と説明したが、この日は理解を得られなかった。
 また、小林剛委員(全国健康保険協会理事長)が賃金や物価水準の動向に配慮する必要性を指摘。支払側の白川委員も、失業率や経済情勢の悪化などを根拠に、「診療報酬だけを上げることには反対の立場」と明言した。これに対し、嘉山委員は「少ない医療費で国民が求める質の医療を保証できるか不安」などと反論。西澤委員も珍しく語気を強めてこう訴えた。
 「確かに不況で失業率も分かっているが、そういう方々が仕事を探していても介護職には就かない。『あんなに安くてきつい仕事には就けない』と言う、そういう状況にある。もう少し報酬を上げて職員の処遇改善をしなければ日本の医療、介護は崩壊する。介護職だけではない。そういう現状を踏まえて考えていただきたい」
 会場が一瞬静まり返ったが、勝村委員がすかさず実調の回答率について質問、本筋の議論をそらした。これにはさすがに遠藤会長も、「それ大至急、必要ですか? 調べれば当然分かる」などと不快感を表した。
 その後、支払側の伊藤文郎委員(愛知県津島市長)が「すべてを診療報酬で持つべきか」と問題提起、各自治体の予算で解決するなど、補助金と診療報酬を分けて議論する必要性を指摘した。中島圭子委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)も「地域間格差を診療報酬だけで解決できるのか。診療報酬と補助金をどう切り分けていくのかという問題意識がある」と同調した。遠藤会長は、「補助金は中医協の決定事項ではないので、『診療報酬ではなく補助金で』ということは言い切れない」とした上で、「診療報酬で地域間格差を図るかどうか、またお諮りしたい」と述べて継続審議にした。
 なお、医療経済実態調査について安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、同日午後の定例会見で日本医師会が公表する資料を次回提出するとした。安達委員が主張している「回収のバイアス」について、早川補佐はブリーフィングで「我々はそうは思っていない」と否定した上で次のように回答した。

── 本日、安達先生が要望した資料について「メディアスとの比較」が示されたが、「これでもう終わり」という理解か。
(早川補佐)
 すみません、私はどれがどれだかよく覚えていない。「(主な集計項目の平均値と)中央値」については、我々も進めていたので出させていただいた。「メディアスとの比較」、さらに診療科ごとの細かいものを出した。これもご要望だったと私は記憶している。それと、院外処方(を実施している一般診療所の割合)を比べてくれということで(平成21年6月の実調と17年の医療施設調査の比較を)提示した。施設調査は3年に1回なので、17年が直近になってしまうんですね。20年度調査が出るのは年末か年明けになると聞いている。今あるのはこの調査のみ。これらが、一応の宿題だったと考えている。

── その結果、「回収のバイアス」についてどう考えるか。
 先ほど申し上げたように、(調査の)時期がずれている。平成17年の医療施設調査では院外処方は64.5%ですが、21年6月の実調では73.7%。これは、バイアスがあるかどうかは別として、無作為で抽出して、その中から出てきたのが73.7%ということでございます。
 ※ 「医療経済実態調査」に対する安達委員の主張は、【「誘導するデータを厚労省は出してはいかん」 ─ 実調めぐり火花】をご覧ください。


【目次】
 P1 → 総会 ─ 医療経済実態調査に係る意見
 P2 → 基本問題小委員会① ─ 医療技術の評価
 P3 → 基本問題小委員会② ─ 疾患別リハビリテーション
 P4 → 基本問題小委員会③ ─ 回復期リハビリテーション病棟
 P5 → 基本問題小委員会④ ─ 医療安全に関する体制
 P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 事業仕分けに関する嘉山委員の資料等


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