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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼7 坂田和江・薬害肝炎検証委員会委員(上)


坂田
「一言で言うとつらかったというだけなんです。当時の方がベストを尽くしたわけではないということは分かりますからね。ただ、そのヒアリングの場に、厚生労働省の官僚の方が同席される場合もされない場合もあったんですが、中身について知っていかれますから、彼らも同じ気持ちだったんじゃなかったかなという気がします」

村重
「現役の官僚がということですね。人間誰でも知らないからという部分があって、いざ知ってみると思うところは同じかもしれないですね」

坂田
「当時の方も一生懸命やってらっしゃったというのは分かるんだけど、肝心の所が抜けていたというのが見えるしですね、現在もそのままじゃないかなと思うところもあります。もうちょっと時間をいただきたかったなあと思います。現在はちゃんと改められているのだろうかとか、ここの部分はどうなっているんだというのを深くやりたかったなあというのが心残りですね」

村重
「そうですね。せっかく検証して、それを次に生かすことを考えたら。つらい思いをされてまで、最後までやり遂げなきゃという思いがたぶんおありだったんだろうと思いますが、それでも足りないのですね。組織のあり方として1人ひとりは一生懸命やっていても、それが組織全体としてうまく回らないのであれば結果として国民によくないことです。個人個人がどうこうではなくて、国民のために変えなきゃいけない部分は変えなきゃいけませんよね。もう少し具体的には、どんなことを思われましたか」

坂田
「具体的に一番問題だと思ったのは、厚生労働省に文書が残ってなかったことですね。だからミドリ十字に残された文書でヒアリングをやらざるを得なかったんです。一番の問題は文書管理かなという気がします。たとえば副作用が色々上がってきても個人のメモというか手帳にたぶん書かれてたんじゃないかなと思いますし、あと一番私が重要なポイントとして思ってきたのが、昭和61年から62年にかけて青森で発生した集団感染ですね。医師の訴えに対して厚生省やミドリ十字がどのような対応を取ったのかということ、何をして何をしなかったか。ところが担当者だけしか手紙を見てなかったんだろうと思われるんですね。課長にも全く共有されてないというのがあって、そのことがものすごく意味深いものであっただろうと思いました。情報がきちんと共有されていたら、もっと速やかな対応をできていたんじゃないかと思います」

村重
「かなり早くに気づいたお医者さんが懸念の手紙を書かれてたんですよね。それがちゃんと生かされていれば、もうちょっと早く対応ができたかもしれないということでしょうか」

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