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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼7 坂田和江・薬害肝炎検証委員会委員(上)


坂田
「私は青森の医師が書かれた厚生省宛のお手紙を拝見した時、強く厚生省に訴えられているなと感じました。『お上にたてつく』と言われていた頃の時代です。とても勇気が必要だったと思います。元々厚生省の肝炎に関する研究班員に協力されていた経験のある医師でしたので、フィブリノゲンと確信してらっしゃたと思います。このお手紙がきちんと対処されていたら、私たちの薬害はここまで被害は拡大していなかったと想像します。でも、『僕はそういうのは全部口頭で受けるだけだったから』って。現物を見てもいないんです。本当に驚きました。それと同時に風通しの悪さを感じました」

村重
「仰る通りですね。今でもそうです。現場の方々からの情報が今はメールで来たりしますけど、課長とか幹部クラスには見せないんですよね。大したものでなくても、課内で共有してほしいから、CCでメールを転送したら、ある医系技官に、課長にはCCを入れるなと言われました。補佐で止めておけ、と。何かあった時には補佐が勝手にやったんだということにするんだ、と。だから組織の体質は何も変わってないし、制度上の問題だけでなく、こういうことも含めて薬害を必ず繰り返すと思うんですよ」

坂田
「それと、最後の意見書にも書かせていただいたんですけど、やはり思い込みの怖さですかね。非加熱から加熱にすることで何とかなると、エイズの場合はそれで大丈夫でしたが、肝炎の場合はダメだった。もう加熱すれば大丈夫とですね。命に関わる医療に関してはきちんと原因が分かるまでは思い込みをしたらいけないと思いますね。この辺は、もうちょっと違った観点で見ていただければよかったなと」

村重
「最悪の事態を想定しないと。よい方の可能性だと思いたくなるのは分かりますけれど、でも対策としては最悪の事態を想定して、それに対応しないといけないですよね」

坂田
「平成元年にC型肝炎ウイルスが発見されてますので、その時にこのフィブリノゲンにはどれだけのウイルスがいるだろうかと疑問に感じ、検査していただきたかったなと思うんです。なぜ疑問に思われなかったのかが、とても不思議で。私がフィブリノゲンを投与された時期は100%感染でしたから。現実を一刻も早く知っていただいて、即、中止してもらいたかった。そういう気持ちでやっていただけてたら、ずっと違っていたんじゃないかなと思いますね」

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