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「女性という『性』を失う」子宮頸がん‐癌研公開講座で患者会の穴田佐和子氏

anada.jpg 子宮頸がん予防ワクチンの接種に適した年代の子供達への普及啓発を図るため、癌研究会は30日、中高生向けの公開講座を癌研有明病院(東京都江東区)で開いた。患者会の穴田佐和子代表は、抗がん剤の副作用による苦しみだけでなく、「女性という『性』を失うというメンタルな面」でのつらさも抱えるとして、子宮を摘出して子供が産めなくなったことなどから交際相手と別れたり、出産を諦めたりする女性もいると語った。(熊田梨恵)

 講座には約50人が参加した。「らんきゅう 子宮がん・卵巣がん患者による患者のためのサポートグループ」の穴田代表が自らの体験を語ったほか、同病院レディースセンターの宇津木久仁子医長や大妻嵐山中学高校(埼玉県嵐山町)の小林節校長が講演した。宇津木氏は子宮頸がんの概要について説明し、「ワクチンで防ぎ切れなかった病変を検診で発見する」と、予防にはワクチン接種とがん検診の両方が必要と述べた。小林氏は同校で今年春に実施した子宮頸がん予防に関する授業について話し、中高生の年代に知識を広げる事の必要性を強調した。
 癌研の土屋了介顧問は今回の講座の趣旨について「通常中学生などでは、ご父兄や中学校の先生にお話しするというのが一般的で、その方達に十分な理解を頂く事も大事だが、やはりワクチンは受ければ痛いということもあるし、場合によってはそれ以外の副作用もあるので、お受けになるご本人が納得した上で、受けるべきというのが私達の基本的な立場」と述べ、今後も中高生に向けた講座を出前で実施していきたいと語った。
 
 以下は、穴田氏の発言内容。
 
 
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らんきゅう患者会の穴田と申します。私は子宮頸がんの患者です。子宮頸がんは誰でもなるHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスでかかりますけども、その中で私は前がん病変からがんとなり、とても大変な思いをしてきました。でも、こうして選ばれたのも何かの仕事を与えられたのだと思って、こうして講演会をさせて頂く事を有り難く思っています。
 
らんきゅう患者会というのは卵巣がんと子宮がんの患者会です。2005年に子宮頸がんを経験した私と、卵巣がんを経験した友人と立ち上げた、小さな患者会です。岩手県の宮古市というところの病院で私達は出会い、そこで患者会を立ち上げました。小さな会ですので、病院で月に一回の講演会を開いたり、お話会をしたり、先生たちのお話を聞いたりして、勉強しています。
 
私の病気の経験について、私は2002年に子宮頸がんになりました。当時はまだ20代で、夫と3歳になる娘がいて、3人暮らしでした。病気の徴候としては、半年ぐらい前に少量の出血がありまして、おりものに少し血が混じった程度だったんですけども、そういうことが1回か2回かありました。気になって産婦人科を受診したのですが「排卵とかホルモンのバランスが悪い」ということで説明を受けまして、当時まだ28、9歳ぐらいだった私は何の疑いもなく「ああそうなんだ」と気持ちを切り替えて生活していました。一応婦人科は定期的に行っていたのですが、半年ぐらい経ったとき、突然大出血したんです。これはどうもおかしいなと思ったんですが、当時二人目の子供をほしいなと思っていた時期でしたので、もしかして流産してしまったのではないかなと考えました。ですが、病院での受診の結果、分かった事は子宮頸がんということで、とてもショックを受けました。私がその時感じたことは、自営業で仕事を持って忙しくしておりましたので、普通に忙しく働き、家庭を持ち子供を育てながら過ごしてきた、普通の日常がある日突然命にかかわる病気だと宣告され、病院に入院することになるのですが、その現実にとてもギャップを感じました。

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