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ニュース〜医療の今がわかる

「医師が12.5万人不足」 ─ 本田宏氏の見解

■ 日本にはグランドデザインがない
 

[本田宏・済生会栗橋病院副院長]
 まず私はこの10年間、なぜ日本は医師不足で医療が崩壊してしまったかを考えてまいりました。やっと、だんだん分かりました。
本田宏先生スライド2.jpg 日本の国には「社会保障基本法」、つまり憲法25条を守る基本法もないし、患者の権利基本法がないんですね。イコール、グランドデザインがないんです。

 グランドデザインがないんだから、医師をどれだけ増やすとか、どれぐらいの医療・福祉体制を取るかを決めようとしても、決めようがないんですよ。枠がないんですから。

 そして、その次に問題なのは、甘い情報分析、遅い基本方針転換。そして、我々医療関係者に「患者の権利」を守る精神が不足していると思います。私から見れば、これ程......。

 昨日、実は埼玉で勤務医部会があったんです。埼玉の三次救急病院が患者さんを受け入れない。救急車から電話が来た。心肺停止の人が50分、現場で待っていると言うんですよ。これが日本ですよ。日本です。50分間、心肺停止の人を待たせているのが日本。

 ところが、医療関係者の責任者の人たちが「医者をあんまし増やす必要はないんじゃないの?」とか、「余っちゃうんじゃないの?」とか......。

 何を考えてんだよ、と私は思うんですけれども......。そういうことを言っていると、国民からそっぽを向かれるんじゃないかというのが私は本当に心配でございます。 

 そして、甘い情報分析、遅い基本方針転換というのは明治維新からずっとつながっているんですね。
本田宏先生スライド3.jpg 戦艦大和があるから勝つぞ、ところが、ドボンと負けました。その理由は、大和が登場したころ、海戦の主役は戦艦から航空兵力へと変化していたんですね。

 「大艦巨砲主義」の見直しなし! 今でもそうです。甘い情報分析、遅い基本方針転換。

 先進国一の高齢社会、これから未曾有の高齢社会なんですよ。それなのに、医師を増やしたら将来余るって言う......。

 何考えてんだよ! と思うんですけれども、頭が良すぎると、その辺りが分からないみたいでございます。


【目次】
 P2 → 私にとって最初で最後の機会
 P3 → 日本にはグランドデザインがない
 P4 → 日本の医療はガラパゴス状態
 P5 → 医療が進歩すると医者が必要
 P6 → シンプルに計算すると12.5万人不足
 P7 → 実働時間を確認しない調査
 P8 → 救急、麻酔、がん関連医が不足
 P9 → コメディカルをできるだけ増やして
 P10 → 勤務医は1人でいろんな役割
 P11 → 相対的には余っている部分も
 P12 → 茨城、埼玉、千葉に医学部を

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