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現行医療計画の問題点について

■ 計画と評価の構造(行政計画)
 

【河原和夫・東京医科歯科大学大学院教授】
 27頁に図を書いていますが、医療計画は5年ごとに見直しとなっていますが、それは上の部分の基本計画、上位計画の部分で、いちばん大事なのは下の部分、下位計画です。

現行医療計画の問題点-54.jpg

 事業をどのように展開していくかというサイクルが回っていないのです。これが1年あるいは半年ごとに回さないといけないサイクルですが、これが回っていない。これすら5年に1回の評価でいいと考えている誤解があると思います。

 ですから、基本計画だけは決めますが、そこから下の計画が決まっていない。それについては、あとでまた述べます。

現行医療計画の問題点-55.jpg

 いままでのまとめとしては、施策体系、事業計画の下位の計画がない。診療報酬とか、ほかの有益なツールとリンクしていない、政策手段とリンクしていないから、社会表明に終わる。防災計画などとは関係が不明瞭、医療従事者の確保とか、医療施設自体も医療従事者の数によりますから、これすら確保できるかどうかという問題もあると思います。
 

【目次】
 P2 → 医療計画制度の目的等
 P3 → 医療計画とその評価
 P4 → 医療機能情報提供制度
 P5 → 病床規制
 P6 → 東京都のがん医療体制
 P7 → 23区の救急施設全体でのカバー範囲等
 P8 → A区の三次救急施設へのアクセス時間
 P9 → 搬送に60分以上要する人口
 P10 → 療養病床の調査
 P11 → 山形県でのアクセス時間分析
 P12 → 救命救急センターの最適エリア界
 P13 → 献血者の動向、地理的分布
 P14 → 周産期母子医療センターへのアクセス時間
 P15 → 死者と重傷者の分布
 P16 → 運転時間30分での転送可能領域
 P17 → 医療計画の中の精神医療の位置づけ
 P18 → 主たる医療職種の入学定員(平21)
 P19 → 計画と評価の構造(行政計画)
 P20 → 事業計画、実施計画の必要性
 P21 → ある県の医療計画の目標

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