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「入院から在宅へ」という考え方について

武久洋三会長(右)0921.jpg 医療費を抑制するため「入院から在宅へ」と言われた時期もあったが、最近はあまり聞かなくなった......のは気のせい? (新井裕充)

 日本慢性期医療協会の武久洋三会長は、「最期は病院に入院して、お医者さんや看護婦さんに看取られながら死にたいじゃないですか」と言う。「いろいろな人のいろいろな施設の助けを借りながら、在宅療養を良い状態で継続したほうがいいんじゃないか」とも。

 最期の場所は病院か、居住系施設か、それとも自宅か──。

 同協会が9月21日に開いた定例会見の質疑応答で「入院から在宅へ」という考え方について尋ねたところ、「我々は国民が望む方向に動きたい」と答えた。詳しくは以下の通り。
 

[武久洋三・日本慢性期医療協会会長]
 2025年には、昨年度の1.5倍の方が亡くなる。年間死亡者がですね。ということは、1回入院して1回で亡くなっても、入院患者さんの数は1.5倍だと。

 2回入院して2回目に亡くなるとすると、入院患者さんの数は3倍になる。単純な計算です。3倍になる入院患者さんに対して、病院・病床を増やそうという気はないですね、国は。

 そうなると、従来のままいきますと、病気の人の3分の2が病院に入院できないか、または入院する期間を3分の1にするか、このどっちかしかないんです。

 どっちを選ぶかって言うと、国としてはまあ、3分の1の入院期間を選ぶと思うんで、それが一般急性期の9日という平均在院日数に表れているんだと思うんですね。

 あれは「特定除外」を除いた一般病床の大体、平均在院日数30日前後ですから、27日の3分の1として9日と、そういう単純な計算をしていたと思うんですね。それは厚労省は分かっていると思うんです。3分の1にしないといけないと。

 3分の1にしないといけないとなると、つい行くのは回復期とか慢性期ですから、そうすると、急性期の平均在院日数が3分の1になっているのに、回復期と慢性期は平均在院日数の縛りがなくていつまででも入院できるとなると、そこに一杯溜まってしまいますね。

 ということは、急性期が3分の1になるということは、回復期も慢性期も入院期間は3分の1にならないと、急性期から来る患者さんを当然収容できませんね。

 そうなってくると、今度は回復期とか慢性期も3分の1の期間で退院させる。退院すると......、退院するのは居住系か介護施設か在宅かと。

 介護保険施設も老健も特養も......、特養は「終の棲家」などと今は言ってるけど、10年後にそんなことを言えるかどうか。

 というのは、重症の喀痰吸引や胃瘻の人、気管切開してる人まで特養に入っていくでしょう。そうすると、どんどんどんどん増えるのは、結局、在宅とか居宅系になります。だから、それが倍になると。重症度が倍になる。それはもう目に見えているわけですね。

 それに対して、在宅療養支援機能をちゃんとしないと、このままでは暴動が起こりますよ、ということを我々は言っている。
 

【目次】
 P2 → 誰だって病院で死にたい
 P3 → むしろ在宅オタクみたいな
 P4 → どっちの方向に行っていいか

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