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ニュース〜医療の今がわかる

中医協委員、大阪で現場医師らと診療報酬を議論


④入院中の他科受診「公平性をどう考えるか」
司会 では次に行かさせていただきます。入院中の患者の他科受診ということで、神戸大学医学部付属病院患者支援センターの内藤純子先生からご質問頂きたいと思います。内藤先生、よろしくお願い申し上げます。


内藤 
神戸大学病院の患者支援センターの内藤と申します。普段は地域連携室の専任医師をしております。その立場で是非質問をということで上げさせていただきました。

入院患者の他科医療機関受診の医療費の取り扱いが、現状では医療連携を阻む壁となっています。具体例としましては、在院日数の短縮に伴いまして、高度急性期を過ぎた段階で転院となるケースが年々増加しているわけですが、転院後しばらくは専門医の併診が必要な状況も相当数あります。しかし転院先の受け入れ条件の一つが、「退院後の外来受診がない」ということが地域連携の世界では暗黙のルールとなっている現状がありまして、患者さんの専門医のフォローは必然的に終了となってしまい、不利益を生じているということがしばしばあります。一方では地域の基幹病院に入院加療中であっても、主治医の判断ではなく患者家族のご希望で当院の外来を紹介受診するというケースもあります。その場合は多くの入院医療機関側がですね、外来の受診料を10割負担され、さらに入院料の減額ということを覚悟で紹介されているという、そういう現状があります。入院患者の他医療機関の受診制限というのは医療連携の視点から見ましても、立ちいかなくなってまして、なによりも、地域医療の質の低下を招いているのではないかと危惧しております。そういったことから次回診療報酬改定での対応を伺いたいと思います。ぜひともよろしくお願い申し上げます。

*制度上、「入院患者に必要な医療は入院医療機関で提供する」という考えから、提供できない場合の「次善の策」として「入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に罹患し、入院医療機関以外での診療の必要性が生じた場合は、他の保険医療機関へ転院又は対診を求めることを原則とする」となっている。転院や対診で対応できない場合のみ他医療機関への外来受診が認められるが、その場合の扱いが2010年度改定で大きく変更された。①一般病棟に入院している場合...外来受診した日の入院医療機関の入院基本料が30%減②包括病棟の場合...他医療機関で入院医療機関の包括部分に相当するものを、算定しない場合は30%減、算定する場合は入院基本料を70%減③DPC算定病棟の場合...入院医療機関が全ての医療費を持つ

*さらに簡単に言うと、入院患者が別の医療機関にかからないといけなくなった場合、入院している病院の報酬は減らされ、おまけに他の医療機関を受診した費用まで負担しないといけなくなって困っているという話。

司会
では西澤先生よろしくお願いいたします。


西澤
はいこれは今全日病また日本病院団体協議会で問題になっておりまして、次期改定でも要望を出すところでございます。この問題というのは一つ原則としまして、診療報酬上の規定で持ちまして、他医療機関での診療の必要が生じた場合は転院または対診を求めることになっております。例えば今の例でもですね。これは規定通りで行きますと、大学の専門医であれば、専門医の先生がその病院に行って対診でやってくださいというのがルールということでございます。一つはそういう形でやっている病院もございますので、地域でそういうことをやるのも一つしなければならないと思っております。

それはそれとしまして、これは非常にいろんな問題がございまして、今言ったように入院基本料が出来高では30%減、包括の病棟では70%減ということで、経営の方では困難になっております。ここで問題になるのはですね、例えば単科病院、例えば内科の病院で眼科が必要になるからということで受診したとします。でも総合病院だったら自分のところで診られるじゃないですか。そういうこともあります。そのあたりの公平性についてはどうしようと。例えば眼科に行って全部オッケーになった時に、それだったら総合病院の眼科に行った時にも同じ点数にするという要望が出ますし、なんとかしないといけない。それも考えないといけない。

私たちの要望として、入院患者の他医療機関の受診に際しては入院基本料の出来高30%減、包括70%減というルールは現在複数の疾患を持つ入院患者は極めて多く、専門的治療の継続を必要とする場合にはこれは非常に問題だから、少しルールを変えろという要望を日病協が出しているところでございます。片方では同じ医療機関におきまして、やはり大学でもそうですが、内科に入院していて、他の科を受診した時はいろんな材料とかはもらっているんですが、働いた医師の技術料はもらえませんね。これも問題なのでこれも要望しようと、やるときにはやはりですね、どこかを評価した時に他のところも同じ評価をしないとだめだということで総合的にですね、見ていこうと。やはりこれから大事なのは、それぞれの専門家の先生方の連携、それから地域での連携が望まれているわけですので私たちは要望していこうと思っております。以上でございます。

司会
今仰っていただいた地域連携、病診連携ということで総合病院での差があるので、そことの調整ということかなと考えますけど、これについて安達先生はいかがですか。対策はございますか。


安達先生.JPG安達 対策はないですね。ぱっとこうだというのは。西澤先生がおっしゃったのですが、さっきの地域医療の被災加算でもみんなそうですが、診療報酬を決める時は一定のルールで決めるその狭間に抜ける実態というのが必ず出てくるというのが絶対なわけで、これは全体ルールを決める時のある意味宿命かもしれないわけです。その狭間をどうやって埋められるのかということをできるだけ状況を拾った上で対応できるようなシステムにしておかないといけない。そのためにはちゃんと現場のデータを拾っていかないといけないということで、行政的手法の限界というのはそこにあるかもしれないんです。だからその辺りをどうするか、ということは我々医師の側が状況をまとめて上げながらこういうものはどうするんだということを問いかけるということを常に常に頭に置いてやっていかないと、実態に即したものができにくくなる可能性がある。総論としてはそう思っております。


司会
ありがとうございます。内藤先生、もっと声を上げなければいけないということですが、そういうことでよろしいですか。


内藤
はい、どうもありがとうございました。

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