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看護職の配置は、数よりも専門性 ― 日本看護協会

久常節子会長0616_1.jpg 「従来は(看護職の)数。全部、数ですよね? それだけでなく専門性の高い看護職の配置を考慮していただきたい」―。2010年度の診療報酬改定に向け、日本看護協会の久常節子会長は看護職員の数よりも専門性ある看護師の評価を求めていく考えを示した。(新井裕充)

 日本看護協会は6月16日、今年度2回目の記者会見を開き、6月1日付で常任理事に就任した2人の新役員を紹介したほか、看護職員の需給状況に関する調査結果(速報値)を報告した。

 久常会長は冒頭の挨拶で、公益社団法人への移行に伴って、同協会の理念を明確化する必要性を強調。「看護基礎教育の改革」と「(新人看護職の)臨床研修の制度化」を挙げた。

 「看護教育の改革をもっと進めていかなければいけない必要性があるのは、需給が予定通りにいかなくなってきたから。一番大きな原因として、1年間に約6万人いる新人看護職のうち、1年後にはたった4万人しか残らないという問題がある。これは、(看護職員の)養成所が10数年前から定員割れを起こして、看護職の教育がやっていけなくなったということに端を発している。従って、看護基礎教育の改革と、現在の需給の問題が非常に関係している」

 久常会長はこのように述べ、看護師不足を解消するために卒前・卒後の看護教育を改革する必要性を改めて強調した。その上で、「地方の看護師不足を招いた」との批判もある「7対1入院基本料」に触れた。

日本看護協会会見0616_2.jpg 「(2006年度診療報酬改定)当時、1-2年の混乱期はあったかもしれないが、その後も『7対1で看護師不足』と言われるのは間違っているのではないか」と述べ、「7対1入院基本料」を創設して手厚い看護体制を取る病院が増えた影響を指摘。

 「むしろ、看護職が同じ職場で働き続けられるようにしている1つの要因に『7対1』はなっている」と評価した。

 その上で、看護職員が辞めずに働き続けられる多様な仕組みづくりの必要性を指摘。「短時間正職員」や、超過勤務をなくす「ナースのかえる・プロジェクト」などを挙げた。

 久常会長はまた、「次期診療報酬改定で、7対1以上の配置を求めていく考えはあるか」との質問に対して次のように述べ、高度な専門能力のある看護師に対する評価を求めていく考えを示した。

 「7対1以上の配置(の評価)を必要としている病院があることはよく知っていますが、今回、私どもは専門性の高い看護師の配置ということを......。従来は(看護師の)数。全部、数ですよね? それだけではなくて、新しく専門性の高い看護職の配置、そういうこともやっていくことが医療の効果や医療事故の減少などに影響力があることが分かっていますので、そういうものをきちんと位置付けていくような新しい仕組み、配置を考慮していただきたいな、ということが要望の第一です」

 一方、診療報酬改定を担当する齋藤訓子・常任理事は次のように回答した。

 「診療報酬上で、7対1以上のさらなる手厚い配置を要望するのかという質問と認識しました。急性期医療の実態に合わせていけば、確かに『7対1』でも手が足りないという声は現場から聞いています。ただ、それが即座に次の段階かと言うと、また『7対1』の時と同じように(看護師)確保の問題が出てきますので、このたびは、まずはナースが多様な働き方をできるようなことを重点的に要望していきます」

 「7対1入院基本料」は、急性期病院の入院医療を支える手厚い看護体制(患者7人に対し看護職1人)を評価するため、2006年度の診療報酬改定で創設された。しかし、最も高い入院基本料である「7対1入院基本料」を取るために看護師の獲得競争が激化した結果、資金力のある都市部の病院に看護師が集まり、地方病院の看護師不足が深刻化したとの指摘もある。

 久常会長と新役員の挨拶(要旨)は以下の通り。

[井伊久美子・常任理事]
 平成21年度第2回記者会見を始めます。私は常任理事の井伊久美子と申します。本日、進行を担当いたします。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 まず始めに、会長よりご挨拶を申し上げます。久常会長、よろしくお願いいたします。

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