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中医協の位置付け、見えないまま

■ 「議論するテーマを出していただきたい」 ─ 患者側委員
 

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 (資料)「総─3」(平成22年度診療報酬改定)の2ページに、「今後のスケジュール案」が書かれているが、私が以前、「できるだけ早く、次回の改定に向けた大体のスケジュール感の原案をちょっと見せてもらえないか」とお願いした(ことに対する対応として示した)のが、これ、という感じなのだろうか?

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 スケジュールについてのご質問ということですね? 医療課長、どうぞ。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 (ちょっと笑いながら)勝村委員のご質問があったから、そのためだけにお作り申し上げたというわけではないのだが、勝村委員のご意見も含めて、やっぱり夏前にある程度スケジュール感みたいなものをご提示した方がいいだろうということで作成した。
平成22年度改定スケジュール案.jpg ▼ 今回、示されたスケジュールには、特に目新しい内容が書かれているわけではない。なお、6月10日の中医協・基本問題小委員会で、勝村委員は次のように要望している。
  「(今後の)話の進め方だが、(勤務医の負担軽減など)検証部会が検証した結果については、冷めないうちに、この結果をどう生かしていくかということを単発的にやってほしいし、そういう意味から言うと、(次期改定の大枠が決まるまで)あと半年なので、あと半年のロードマップというか、検証部会(で調査した改定項目)の案件をどこでどのように議論して、何月ごろにどういう文書が出てくる、どういう資料が出てくる、だから、ここでこうしていくんだということ。また、例年、公聴会(国民からの意見を聴く場)とかパブコメ(国民からの意見募集)などをしているが、その時期を今年はどう考えているのかみたいな、半年分ぐらいの、半ペラでいいいので、大体の今の(厚労省の)お考えみたいなものを総会の場でも結構なので、出していただきたいなというのを、今の(勤務医の負担軽減などの)議論を聴いていて思った」
 これに対して、遠藤会長が「スケジュールについては、ある程度固まり次第、皆さんにお示しいただくという形になると思う」と述べ、事務局(保険局医療課)は特に回答しなかった。
 同日の基本問題小委員会では、基本診療料について意見交換。勤務医の負担軽減策に関する3つの加算について、中医協の検証部会のデータが示されたが、資料説明に大半の時間が割かれ、その後は各委員が個別に意見を述べる「フリーディスカッション」にとどまり、踏み込んだ議論はなかった。ちなみに、「明細書」は検証部会が実施する今年度の調査項目の1つ。

[遠藤会長]
 勝村委員、どうぞ。

[勝村委員(患者本位の医療を確立する連絡会)]
 ちょっと、自分の言葉足らずだったので申し訳ないが、前回、前々回かな、お願いした趣旨は......あの......。

 例えば、検証部会の結果とか出始めていると。例年、ここで出されたスケジュール感は理解しているつもりだったが......、やっぱり、直前になると、いろいろな大事な議論がたくさん出てきて、(明細書の問題を議論するには)時間が足りないという中で、だけど時間も大切だということで......、非常に苦悩しながらの議論になっていくと。

 そう思うと、振り返ってみると、もう少しあの時に......、「こういう議論ができておれば」ということを思うこともあったので、その点、少しでも改善できないかなという思いがあったので......。

 もちろん、ここのスケジュールにあるように、「一定の基本方針が出ないと」とか、「ある時期にならないとできない議論」というものがあると思うが、やはり、(明細書の無料発行など)「その前にできる議論」というのもあり得るということで......。

 事務局(保険局医療課)や会長も模索してやっていただいていると思うが、その辺りのイメージを一度出してもらうことで、検証部会というのは中医協として検証しているのだから、その検証結果が出れば、それに関して、次回の改定に向けた議論をある程度できるということもあり得るかもしれないし......。

 やはり、限られた9月、10月、11月と、3か月ぐらいで何ができるかという問題もあるかと思うが......。だけど、それにしても、一定の9月、10月、11月の腹案みたいなものをお持ちではないかとも思うので......。

 私としては、公聴会とか国民の意見を聴く「パブコメ」とか、「検証部会の結果がどのように次の改定に生かされたか」とかを考えると、「今回の議論のスケジュールはどういう風になっていくのかな」という関心があって......。

 できれば次回の......。非常に難しいことだと思うが、(次回の)総会にでも、9、10、11月の大体の......。後になって予定が変更になるかもしれないが、「こんな感じでこのテーマを議論する」とかいうことが、もしあれば出していただきたいなぁというのが趣旨......だったんですが。

 ▼ 勝村委員の最大の関心事は、「明細書の問題をきちんと議論してくれるのか」という点にあるのだろう。薬害患者救済などの観点から、勝村委員は明細書の無料発行を強く求めているが、明細書問題は「中医協で最も嫌われている話題」と言ってもいい。前回の改定では、明細書の議論が何度も延期になった。明細書を無料発行した場合の病院の事務負担の大変さについて立ち上がって訴えた診療側委員もいたし、勝村委員の長時間にわたる"演説"に対し、「あんたね!」などと怒鳴って発言を遮る支払側委員もいた。最終的には、「議論する時間がない」ということで議論打ち切り。半ば逃げ切られたような形で終わった。今回はそのような事態を絶対に避けたいという趣旨だろう。

[遠藤会長]
 分かりました。総会で......、やはりその、基本方針が両部会で決まることが大前提とは言いながら、やはりその、焦点となるべき課題というのはある程度、もう分かっているので、それについては、「ある程度、中医協として独自に議論していいのではないか」ということだったので、既に救急等々についての議論を開始しているところ。

 それから......、そういうこともあったのでしょう。(今回は)両部会の開催時期が(前回の9月から7月に)早まっているということが反映しているのだと思うので、ま、そういう形で......。

 確かに、われわれの認識としても大きな課題を抱えているので、できるだけ早めに対応していく必要があるだろうということを思っている。そういうことが、このスケジュールに表れているのだと思うが、勝村委員はさらに細かな(個別の検討項目を含めた)今後のスケジュールをどんな形で考えているのか、中医協のスケジュールですね、それが明らかにできるかどうかと、こういうご質問だった。

 事務局(保険局医療課)、いかがだろうか?

 ▼ 「今回は明細書の問題をきちんと議論すべき」との意向を少し感じるが、医療課はどうだろうか......。

[保険局医療課・佐藤課長]
 はい。今、遠藤会長がおっしゃったことと繰り返しになってしまうようで恐縮だが......。

 今日、2ページ目にお示ししたもの(スケジュール)は、どちらかというと勝村委員のご要望というよりは、中医協とその関連する組織、(基本方針を決める)社会保障審議会であったり、あるいは(改定率を決める)内閣であったりというものとの関係を整理して、スケジュールに落とし込んだものなので......。

 むしろ今、勝村委員のおっしゃったことは、「中医協本体の議論のスケジュールのような感じかな」と思ったので、今日はそういう意味で準備はしていなかった。

 で、まぁ、この時点で、ま、ちょっと事務局(保険局医療課)で多少恐れるのは、テーマみたいなものを決めてしまうと、「何で事務局が決めたんだ」ということがある。これは、勝村委員が言ったように、「基本方針が出ていないのに、何でそんなことになるんだ」ということだろうが、あの、まぁ、この......。

 お許しを頂けるものならば、「例えば、仮置きでこんなテーマがあるんじゃないでしょうか」ということを事務局が、多少差し出がましいというか、「書かせていただける」ということならば、多少その......。

 何度も言いますが、テーマをいくつか挙げて、どのテーマがいつごろ、こう議論されれば、大体、「12月なら12月、11月なら11月までに一通り議論できるでしょうね」というのは、作れるかもしれない。

 ただ、何度も言うようにテーマについては、先ほど中川委員から「両論併記もあるんじゃないのか」と言われているように、いくつかたくさんのテーマがあろうかと思ったので、(今回のスケジュール案に)テーマまで埋め込んでまではお示しをしていないところ。

 ただ、そういう話ばかりしていても始まらないので、例えば、「前回改定時の宿題事項になったようなものが、どの程度議論されたか」みたいなことは多少は整理できるでしょうから......、「検証部会でこれだけできました」、あるいは「まだ検証できていません」みたいなことはできるでしょうから。

 今、ある程度想定されている範囲の中で、中医協のスケジュールの中で、もしかしたら"パッチワーク風"に、所々しかないかもしれないが、出すということは......、次回可能かは別として......、考えてみたいと思う。

[遠藤会長]
 はい。どういうスケジュール感で今後の審議が進むのかということは、恐らく委員の皆様、関心のあるところだと思うので、その辺について、「あくまでも仮だ」ということで結構なので、次回の総会でなくても結構だが、ある程度まとめて1回ご提示いただいて、それに基づいてまたご意見を承れればと思う。

 いかがだろうか、そんな感じでスケジュールを出していただくということ。 1つ、その辺のご努力をお願いしたいと思う。よろしくお願いいたします。牛丸委員、どうぞ。

[牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授)]
 何回前だったか覚えていないが、(6月10日の)基本問題小委員会で今後のことを議論したと思う。その中で、検証結果に基づきながら、個別の問題について議論しながらも、一方で、同時に総合的というか、大きな視点で議論しましょうと。

 もちろん、今日、示されたように、中医協は「医療部会」と「医療保険部会」の示した基本方針に沿って(診療報酬改定の答申を)出すわけだが、その基本方針が出ていない段階だが、「それぞれの守備範囲を気にしないで、少しこの場でも議論しましょう」ということは、確か了解されたと思うのだが、いかがでしたか?

[遠藤会長]
 事務局(保険局医療課)、お願いします。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 結論から言うと、そうだと思う。

 ただ、そうだとしても、何でも出して、「ご議論ください」というわけにもいかないので、私どもとしてみれば、いくつかのビジョン(安心と希望の医療ビジョン会議)、とか(救急医療、精神保健福祉士の養成などの)在り方検討会などで出てきたテーマにとりあえずは限定して、「少なくともこういうことは省内で議論になりました」、あるいは「政府全体で議論になりましたよね」というご確認も含めて、その範囲でさしあたりスタートしたということだろうと思う。

 ▼ 議論の範囲を限定しようという趣旨の発言か。ところで、次期改定に向けて基本診療料の議論を開始した4月15日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で、佐藤課長がこれまでの検討会などについて長々と説明。その日はほとんど議論できなかった。その後、DPCの退出ルールなどでもたつき、ようやく議論に入ろうとしたのが6月10日。しかし、この日も中身の議論に入れなかった。

[遠藤会長]
 藤原委員、どうぞ。

 【目次】
 P2 → 「基本方針は両部会で一本化されるか」 ─ 公益委員
 P3 → 「議論するテーマを出していただきたい」 ─ 患者側委員
 P4 → 「粗ごなし作業がぜひ必要だろう」 ─ 支払側委員

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