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ニュース〜医療の今がわかる

必要なワクチンの定期接種、実現しないのはなぜ?-議員と患者会が勉強会

 副作用の発生がゼロになることはない。これは医療側からすれば当たり前のことだが、日本ではこれまで、避けることのできない被害に対する無過失補償制度が構築されてこなかったために、一部からの責任追及を恐れて、全体が享受できるはずの利益を損なうということが起こっている。乳幼児に発症して重度の後遺症となりやすい「細菌性髄膜炎」を防ぐためのワクチンの定期接種化が実現しないこともその一例だ。政権が交代し、医療の無過失補償や免責に関する制度は、今後進んでいくのだろうか。(熊田梨恵)

田中代表(中).jpg 患者家族や医療者などでつくる「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」(田中美紀代表)が27日、国会議員らに対して細菌性髄膜炎に関する勉強会を行った。同日行った長浜博行厚生労働副大臣に対する、2種類のワクチンの定期接種化などを求める要望書の提出と足並みをそろえたもので、一般から集めた約4万7000筆の署名も衆院と参院の両議長へ提出する予定だ。
 
 細菌性髄膜炎とワクチンを取り巻く現状についての講演後に行われた質疑では、日本のワクチン行政の問題点だけでなく、行政の責任回避体質も浮き彫りになってきた。国会議員が「新人なので初歩的な質問で申し訳ない」と言いながらの質疑応答の内容が、ストレートで分かりやすいものが多かったと思うので紹介したい。
 
■そもそもなぜ進んでこなかった?
勉強会会場.jpg[山口和之衆院議員(民主)]
新人なので申し訳ないのですが、今まで議員が動いていてなぜ進まなかったのか、教えて頂きたい。「今まで(署名提出などの活動を)頑張っていた」と仰っていたが何がダメで通らなかったのか。
 
[薗部友良・VPD(ワクチンで防げる病気)を知って子どもを守ろうの会代表(日本赤十字社医療センター小児科顧問)]
私の知ってる限りで申せば、やっぱり副作用問題。副作用問題に関しては、すべて打って起こったことはワクチンのせいだという方の意見が非常に強く出て、動けなかったということを裏では聞いている。実際そうかどうかは今までやっている方に聞いて頂きたい。
 
■エビデンスがあったわけじゃない
[山口議員]
調べが終わっていて、エビデンスとして副作用があって、これは認められないということだったということですか?
 
[薗部氏]
そういうことではなくて、予防接種の論議がされてきてこなかった。ワクチン議連の方がやっと動き始めてこられたけど、あるところまでいくと、副作用を非常に心配する方が多くてそれ以上進まない。みなさん今日のお話については、ここにおられる国会議員の先生方はご存知かもしれませんが、国民も国会議員の方も全くご存知ないと言っていいぐらい、情報がたくさんある。それを判断しろという方が無理です。
 
[山口議員]
国は何と言っていたんですか?

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