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168か所の公的病院が「過労死ライン」の36協定を締結-全国医師ユニオン調査


 ユニオンは同日開いた記者会見で、「医療機関における全国的な労働基準法違反及び勤務医への賃金不払いに抗議する」と題する声明を発表。医師不足の中で地域医療を守るには、勤務医が一定の長時間労働を担うことになるのは事実としながらも、「そのことを理由に漫然と長時間労働を認めることは許されない」とした。受診行動に関して住民の理解を求めるなど勤務医の労働環境を改善するための取り組みや、医療事故につながる可能性のある連続の長時間労働を防止する対策が必要とした。
  
 また、「一定の当直料を支払うことで、労基法に定められた時間外割り増しや深夜割り増し賃金を払わないことにより、莫大な不払い賃金が発生している」ことの可能性も指摘。ただ、診療報酬で手当てされたとしても病院経営の赤字補てんや修繕費用などに回される可能性が高いとして、36協定締結など労基法を遵守する病院を評価するような診療報酬の創設を求めた。
  
 今回の調査は公立病院など一部の病院に限った調査だったことから、植山代表は「所管している厚労省だったすぐできること」と述べ、国内すべての病院の締結状況などを調査するよう求めたいとした。
  
 今回の調査に協力した全国医師連盟の黒川衛代表は会見で、「当直して夜間外来をして、そのまま(夜勤明けに)処置すると危ない。睡眠不足で患者さんを手術することは危ない綱渡りで、患者のためにも労働安全は跳ね返ってくることなので、この実態でいいのかと知っていただきたい」と、国民の理解を求めた。
 
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