ラグは本当に減るのか 未承認薬・適応外薬検討会スタート
医療上の必要性が高く、欧米で使われていながら国内では使えない医薬品を早く使えるようにしようという検討会『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』(委員名簿はこちら)の1回目が8日開かれた。突っ込みどころ満載だったので、できるだけ丁寧にご報告する。(川口恭)
*なお、資料がないと意味不明の点も多いと思うので、最低限のものは掲載した。色の変わっているところをクリックすれば読めるようになっている。
まず、冒頭に高井医薬食品局長が挨拶。
「開催に先立って学会、患者会から多数の意見をいただいた。委員の力添えを頂戴しつつ、様々な角度から検討し、必要性の高い医薬品が早急に使えるようにしたい」
椅子が足りず、床に座りこんで傍聴する人もいたほどの注目度だったのに、国会開催中で政務三役が誰も来なかったのは寂しい。ちなみに同じ日の午後に開かれた薬害肝炎検討会には長妻大臣と山井政務官の2人が出席し、長妻大臣は挨拶していった。
続いて座長に堀田知光・国立名古屋医療センター院長を選出。
堀田
「大変に注目度の高い重要な会議。ミッションが何であるかきちんと整理したうえでスタートしたい。医療の必要性の高いものを仕分けて、重要なものを早く臨床に持っていけるようにしたい。公正公明にご審議いただければ」
まず事務局が会議の趣旨を説明。
堀田
「薬事法上の承認について話をするということだが、適応外使用薬に関しては様々な論点があり保険上の問題もある。この会議としては承認に関して話をするということだが、何かご意見があれば」
藤原
「社会保険診療報酬支払基金、いわゆる支払い側から、抗がん剤の適応外使用に関しては査定するなと文書が出ている。今回挙がったものの中にも含まれているものがあるが、そこでの判断とズレが出た場合にどうするのか、早めに整理しておいた方がよいのでないか」
堀田
「承認と保険との関係の問題だが、その点について保険局はいかがお考えか」
磯部薬剤管理官
「これまでも薬事の添付文書を一字一句守って査定するのではなく、医学的常識に従って適宜専門家に判断されてきたと理解している。薬事は厳密な用法・用量を定めるが、そこから外れたからといって直ちに査定することはない。この場で一個一個整理していくのは現実的には難しいのでないか」
堀田
「保険の方でも認めるのにエビデンスが要るとするならば、この場と同じような議論が行われるような気もする」
不明
「私たちリウマチ・膠原病の分野では、極言すればステロイドしか認められていない。しかし現実には他の薬もいろいろと使われていて、そこの部分の責任が曖昧なことは知っていただきたい」