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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼15 長尾和宏・長尾クリニック院長(4)


村重
「で、そこがもう一つあるんです。今先生は日本の医療はレベルが高いとおっしゃいましたが、個々の医者の技術レベルや心がけは高いかもしれない。でも医療ってそれだけでは済まない。それこそコメディカルとか色々なスタッフが支えて、やっと一人の患者さんを診れるので、そういう意味で言うと、世界的にというか、金持ちが来ることを期待して医療ツーリズムということを話しているんだと思うんですが、そういう人たちが望む世界のレベルの医療というのは、たとえばアメリカは日本の10倍20倍というオーダーでコメディカルスタッフがいるわけで、そういう意味で言えば、日本はジリ貧の医療です。それをわざわざ金持ちが受けに来ると思いますか。

一部例外的に、この先生に手術を受けたいとか、そういう人はいるかもしれないけれど、マジョリティの流れで見た時には、普通に金持ちはアメリカへ行きますよ、ヨーロッパへ行きますよ、日本に最初は来たとしても、日本国民が受けている医療と同じ医療を提供するという意味であればジリ貧の医療ですよ。そうではなくて、ウチは日本の標準的な医療ではなくゴージャスな、こんなに看護師さんも雇って10倍20倍のスタッフを雇って通訳も付けてゴージャスな医療を提供します。だから外国人を呼びますという医療をやった時に、国民がそれを見たらどう思いますか。隣の病院でジリ貧の医療を受けている国民はどう思うんでしょうか。そこがすごく疑問に思うし、そもそも成り立つんだろうかと思います。成り立つならいいのかもしれませんけど」

長尾
「街角でエステか何かやっている、よくありますよね、あれと同じですよね。あれでも成り立つ所は成り立っている。シミ取りか何かやって」

村重
「そこにはすごい需要があるわけですからね」

長尾
「同じレベルで考えたらいいと、国が介入することではないと」

村重
「国が介入するとおかしくなるんですよ。国が決めることじゃないですよね。それこそ全国一律ルール、特区かもしれませんけど、国が介入して全国一律にやることじゃないと思います。もしそれほどのゴージャスな医療を全国民に提供しますというなら話は別ですけど」

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