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福島県立大野病院事件第四回公判

 前回のT助産師と違い、O看護師は歴15年以上のベテランである。そのO看護師も内心不安を覚えるほど修羅場だったことが分かり、応援を呼ぶべきであったという検察側主張の傍証にはなっている。ただし、それが加藤医師の有罪立証へとつながるには、応援を呼べば救命できたことの立証が不可欠であり、その点は、これまで全く立証できていない。

 弁護側の反対尋問では、特にこの点を潰してしまおうというものはなかったが、検察側再尋問との関連で少し関係の出てくるやりとりがあった。

  弁護側  加藤医師から血小板を頼まれたとき、加藤医師の様子はどんな感じでしたか。
  O看護師 特に慌てている感じはしませんでした。落ち着いた口調で、こちらを振り向いて「血小板をお願いします」とおっしゃいました。
  弁護側  加藤医師の様子は、どこで変わりましたか。
  O看護師 最後まで落ち着いて一生懸命やっていらっしゃいました。最後のVTになった時だけは慌てたようになりましたが、それ以外ずっと落ち着いて処置されていました。

渋いルックスの検事による再尋問である。

  検事 手術の際、加藤医師は帽子をどのようにかぶりますか。
  O看護師 眉毛だけ出るくらいまで、きちんとかぶっていらっしゃいます。
  検事 マスクはどうですか。
  O看護師 します。目だけが出る感じです。
  検事 目しか出ていないのに、なぜ表情が分かるのでしょうか。
  O看護師 先生は常日頃落ち着いている方ですし、声が高くなるとか荒々しくなるとか、動作が荒くなるといったことがありませんでしたので。


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