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ニュース〜医療の今がわかる

福島県立大野病院事件第四回公判

  検事 癒着胎盤の知識はありましたか。
  院長 まったくありません。
  検事 警察に届け出る必要性は感じませんでしたか。
  院長 医療過誤がないと考えましたので、それなら届ける必要はないと考えました。
  検事 医療過誤がないとの認識が変わることはありませんでしたか。
  院長 ありました。
  検事 どのようなときですか。
  院長 死亡原因を突き止め今後の再発防止につなげるために事故調査委員会を開いていただきました。その委員から、癒着胎盤で用手剥離をする際に器具等を使うのは教科書的にはマズイという発言を聞いてです。
  検事 発言を聞いてどのように感じましたか。
  院長 動揺しまして、もしかするとやってはいけないことをやってしまったのでないかと思いました。委員の先生方は3人とも、産婦人科の専門医で、きちんとした病院の部長とかですから。
  検事 残る2人の委員から異論は出なかったのですか。
  院長 異論・反論は全く出ていませんでした。
  検事 事故調と同様な話は被告人から出ましたか。
  院長 ありません。
  検事 事故調の意見について被告人と話をしましたか。
  院長 一度だけあります。
  検事 どのような話ですか。
  院長 だいぶ経ってから、日にちはちょっと分かりませんが、胎盤剥離をするのにクーパーを使ったらいけないんじゃないの?と言いました。
  検事 被告はどう答えましたか。
  院長 そんなことないよ。ケース・バイ・ケースだと思うよ。筋っぽい所をちょっと切っただけなんですけどね、と言っていました。
  検事 どのような所を切ったと理解しましたか。
  院長 はがれないところだと思いました。
  検事 その発言を聞いてどのように感じましたか。
  院長 事故調では器具を使った剥離はいけないと教科書に書いてあるということだったのに、知らないのかな、と思いました。

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