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福島県立大野病院事件第四回公判

 応援を呼ぶべきだったという論拠を突き崩して、ここまでは快調である。

  弁護人 手術当日、加藤医師、H医師から事情説明を受けた際、他に同席者はいましたか。 
  院長 いました。事務長と事務シカンが同席していました。
(中略)
  弁護人 胎盤剥離の際にクーパーを使ったことへの違和感は感じましたか。 
  院長 まったく感じませんでした。
  弁護人 整形外科では剥離の際にクーパーを使いますか。 
  院長 通常の手技です。ただしクーパーは太いので、整形外科ではクーパーより先が細いメイヨー型とかメッツェン型を使うのが一般的です。メイヨー型と申しますのは(整形外科関係の解説は省略)

 ここからが、やぶへびになった尋問である。

  弁護人 席上、胎盤を剥離することで出血が止まることの説明は加藤医師からありましたか。 
  院長 明確な記憶はありません。
  弁護人 手書きのメモがあるのですが、これは22時半から説明を聞いた際に書いたものでしょうか。 
  院長 その通りでございます。
  弁護人 そのメモには、胎盤を剥離すると子宮が収縮して止血されるということが書いてあるのですが。 
  院長 明確な記憶はないのですが、そう書いてあるんだとすれば、そのように聞いたのだと思います。私の記憶にありますのは、12月20日の院内の検討委員会の際に加藤医師がそのように説明したのは明確に記憶しているのですが。

 どのようにやぶへびだったかは後ほど説明するとして一連の尋問をもう少し記載する。

  弁護人 警察への届出については、誰からどのようなタイミングで話が出ましたか。
  院長 事務長さんが、何時ごろだったかはハッキリしませんが、警察への届けはどうしましょうか、と言ってきました。
  弁護人 どう答えましたか。 
  院長 医療過誤があったかなかったか分からないので、加藤医師やH医師の話を聴いてみないと分からないじゃないか、と答えました。
  弁護人 22時30分からの話し合いで話は出ましたか。 
  院長 事故がありますと県への届けもする必要があるのですが、ちょうどその話をしている時に事務長さんが県の病院グループ参事に電話をしまして、その電話で私も参事と話をしました。で、今いろいろとお聞きしましたが、医療過誤がないから、警察へ届け出る必要はないと思うよと言いました。
  弁護人 それは院長室での話の終わった後でしょうか。 
  院長 お話の終わるころ、事務長が電話がつながっているからと言ってきました。
  弁護人 安全管理マニュアルによると、警察へ届け出るかどうかは院長が判断し、判断に迷った際は県の病院課長と相談して決めることになっていますね。 
  院長 はい。
  弁護人 病院課長と相談はされたのでしょうか。 
  院長 正確に申しますと、マニュアルを作ったときとは変わっておりまして、職名が病院課長から病院グループ参事に変わっております。
  弁護人 マニュアル上、相談する相手だったということですね。 
  院長 はい。
  弁護人 グループ参事はどのように言っていましたか。 
  院長 そうですか、ということでしたけれど、事故の内容と今後問題になりますよねという会話をしました。
  弁護人 問題になりますよね、と話をしたのですか。 
  院長 いやニュアンスとして、そういう内容の話をしたというだけのことです。
  弁護人 問題とは刑事事件になるということでしょうか。 
  院長 いえ、刑事事件を念頭に置いたことではなく、民事上で賠償の話が出てくるといったようなことです。
  弁護人 県に電話したのは何時ごろでしょう。 
  院長 夜の12時近かったのではないでしょうか。
  弁護人 その時間に電話がつながるのは不自然だとは思いませんか。 
  院長 事務長さんと前から連絡を取り合っていたのだと思います。
  弁護人 県でも連絡を待っていたということでしょうか。 
  院長 だと思います。
  弁護人 翌日以降、どんなことをしましたか。 
  院長 翌朝、保健所へ報告しまして、それから12月20日(注・17日が金曜日だったため週明けの月曜日に開催したとのこと)に院内の検討委員会を開きました。
  弁護人 加藤医師、H医師以外の出席者は誰ですか。 
  院長 院長、副院長2名、外科部長、内科部長、事務部長、事務シカン、看護部長、手術室師長、病棟師長です。
(後略)

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