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福島県立大野病院事件第四回公判

  検事 退出してからどうしましたか。
  院長 整形外科の外来へ行き書類書き、1週間分のですな、をしました。
  検事 次にこの手術の情報をどのように得ましたか。
  院長 書類書きを終わって院長室に戻ったところ、看護部長から「あの患者さんダメだったようですよ」と聞かされました。
  検事 何時ごろのことですか。
  院長 18時30分ごろだと記憶しています。
  検事 どのように思いましたか。
  院長 私は生命の危機は脱して大丈夫だと思っていたので大変驚きまして、どうして?と思いました。
  検事 そしてどうしましたか。
  院長 急いで手術室に行きました。
  検事 手術室に被告人はいましたか。
  院長 手術室にはおりませんでした。手術室の手前の更衣室の方へ入るところで会いました。
  検事 会話はしましたか。
  院長 しました。
  検事 どのような会話ですか。
  院長 どうだったの?と聞きました。
  検事 被告の対応は。
  院長 やっちゃった、というようなことを言いました。
  検事 被告の様子はどうでしたか。
  院長 非常に落胆してうなだれているというか、ボソっと「やっちゃった」と言いました。
  検事 被告の心情を察するところはありましたか。
  院長 大変なことになってしまったという認識だと思います。医師として最悪のことですから。
  検事 何か声をかけましたか。
  院長 大変だったね、だったか、ご苦労だったね、か労いの言葉をかけたと記憶しています。
  検事 確認ですが、被告人と会ったのは手術室に入る前ですね。
  院長 はい、そうです。
  検事 手術室の中はどのような様子でしたか。
  院長 H医師とM医師とが心臓マッサージをしておりました。
  検事 心臓マッサージで救命できそうでしたか。
  院長 私が見ていましたところ、心臓マッサージをした時だけは脈を打つのですが手を休めるとすぐに平坦になってしまう状態でしたので、救命不能だろうと判断しました。
  検事 被告人から手術の説明を受けたことはありますか。
  院長 あります。
  検事 いつごろですか。
  院長 その日の夜の10時半ごろからだったと思います。
  検事 どこで受けましたか。
  院長 院長室で受けました。
  検事 他に医師はいましたか。
  院長 加藤医師とH医師とから説明を受けました。
(中略)
  検事 医師法21条は知っていますか。
  院長 知っております。
  検事 警察への届け出が必要なのは、どのようなときですか。
  院長 医療事故が起こった時、私どもの病院にも安全管理マニュアルがありまして、医療過誤による死亡・傷害の疑いがあるときは病院長が届け出ることになっております。
  検事 マニュアルでは病院長に届出義務があることは知っていましたか。
  院長 もちろん知っておりました。
  検事 医療過誤とはどのようなものですか。
  院長 医療事故の一類型であって、その原因が医療的準則に反する行為であった場合です。
  検事 医療過誤かどうかについて、当時はどのような認識でしたか。
  院長 医療過誤があるとは思いませんでした。
  検事 どのような根拠でそのように考えたのですか。
  院長 医療過誤にあたるような実例を挙げて問いましたが、執刀医・麻酔医ともに、過誤にあたるようなことはなかったとの答えでした。極めて専門的な事柄について完全に理解しているとは言えませんが、普通に言われているような過誤の実例に対して、あったかなかったかと言えば全くなかったとの答えでしたので。
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