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急性期病院の機能評価、迷走再び

■ 「今後、導入を検討する項目案は出ていない」 ─ 厚労省
 

[小山信彌分科会長代理(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 (資料の)「今後、導入を検討する評価項目に関する調査」というのは、具体的には何か(厚労省としての)案が出ているだろうか?

[保険局医療課・丸山慧主査]
 出ていません。 (委員ら、笑い)

 ▼ 「ウソつくな」という意味の笑いだろうか。

 (新機能評価係数の考え方について)大方針を基本問題小委員会、総会で決めていただいた上で、前回評価しなかった項目が多数あるので、それを再整理した上で、必要なものは調査を打つという形になる。

[小山信彌分科会長代理(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 前回、ここで議論して落とされたもの(係数)が一杯ありますよね。それを整理して、(病院に)問うわけですね? それがアンケートになる? 

 ▼ それはあり得ないのでは? 「新機能評価係数」の候補は、昨年11月の時点で9項目あった。それが12月に7項目に絞られ、年明けの中医協総会で6項目に決まった。これら落選の理由は主に「既存のデータでは不十分」ということだった。こうした経緯を踏まえれば、次期改定で入る可能性が高いのは今回落選した3項目ではないだろうか。「結論ありき」で調査をするようなものなので、わざわざ「何を入れてほしいですか?」というアンケートを実施するとは思えない。
 参考までに9項目を挙げると、①正確なデータ提出 ②効率性(平均在院日数の短縮を評価) ③複雑性(難しい疾患を抱える患者を受け入れる高度医療を評価) ④「診断群分類のカバー率(総合病院など多くの診療科がある病院を評価) ⑤救急医療(不採算になる入院初期を評価) ⑥地域医療(救急患者の受け入れや4疾病5事業への対応など主に地域の中小病院を評価する目的だったが分科会では議論がまとまらず水面下で決着) ⑦チーム医療(看護師は早々に落選、病棟薬剤師は当確と思われたが落選) ⑧患者の年齢構成(小児や65歳以上の高齢者など手間のかかる患者を受け入れる病院を評価するはずだった) ⑨診療ガイドライン(分科会で反対意見が多数だが、クリティカルパスの公表自体を評価することはあり得る)。
 このほか、⑩高度医療指数(池上委員の提案) ⑪医療の質のデータ公開(松田委員の提案だが池上委員が反対) ⑫副傷病の評価 ⑬がん診療連携拠点病院の評価─などがあった。がんの拠点病院を係数で評価することに対しては、分科会で「二重評価になる」など反対意見が多かったため早い段階で落選したが、今回導入された「地域医療係数」の中で復活した。誰の影響だろう......。分科会では議論されていない。なお、13項目を詳しくご覧になりたい方はこちらのPDFを参照。
 ザックリとした予想を言えば、次期改定では小規模な専門病院が優遇されるような係数が入るのではないだろうか。専門領域を持たず慢性期のベッドでやりくりしているようなケアミックス型のDPC病院は苦しいかもしれない。

[保険局医療課・丸山慧主査]
 具体的な手順について現時点での私の想定では、(中医協総会で)大方針が決まります。前回落ちた項目が(新機能評価係数Ⅱの考え方の)軸に合っているかを整理しないと、評価すべきかしないかが決まらない。

 評価軸と合致したものについて、さらにここ(分科会)で、「これは評価しなきゃいけない」「特別調査しましょう」という時系列になってくる。

 ▼ まどろっこしい。結論ありきなのに、またここでダラダラとお達者くらぶを続けるのだろうか。

 まあ、早くても平成23年の春とか、少し早くて(今年の)冬とか、そういう時系列だと思う。
 
 ▼ 要するに、次期改定の検討項目を出す2011年の夏までには固めたいということか。 

 (今後、導入を検討する評価項目に関する調査と書いてあるのは)一応、ここは「忘れていませんよ」という意味合いで思っておいていただきたい。 (委員ら、笑い)

 ▼ 日本の医療政策を決めるのは厚労省。

[小山信彌分科会長代理(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 今回の調査には入らない?

 ▼ うなずいたか不明。傍聴席はシラケているが、なぜか委員らは「ハハハっ!」とウケている。

[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
 どうぞ、酒巻委員。(中略)

 ▼ ダラダラした議論がしばらく続く。


【目次】
 P2 → 厚労省の説明① ─ 調査の目的
 P3 → 厚労省の説明② ─ H21調査の再集計
 P4 → 厚労省の説明③ ─ H22調査
 P5 → 「様式1のデータも調査すべき」 ─ 池上委員
 P6 → 「平成21年と22年のデータを比較できるか」 ─ 酒巻委員
 P7 → 「アンケートを提案した理由は2つ」 ─ 厚労省
 P8 → 「評価が得られなければ改善もあり得る」 ─ 池上委員
 P9 → 「医療圏によって違ってくるのではないか」 ─ 金田委員
 P10 → 「影響の評価とは、どういうことを見るのか」 ─ 小山会長代理
 P11 → 「今後、導入を検討する項目案は出ていない」 ─ 厚労省
 P12 → 「今あるデータを整理する作業がまず必要」 ─ 松田委員
 P13 → 「アンケート調査か、データ分析か」 ─ 小山会長代理
 P14 → 迷走は続く

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