今年4月に改正した消防法で都道府県に救急搬送と受け入れのルール作りが義務付けられたことを受け、総務省消防庁と厚生労働省は7月30日、都道府県がルール策定時に参考にするためのガイドラインづくりの作業に入った。ルールの中で作る搬送先医療機関の一覧について、患者の重症度などによる緊急性や、妊産婦や小児といった特殊性などの項目に分けてリストアップすることが提案された。(熊田梨恵)
東京都は7月29日、妊婦や新生児の搬送調整を行う助産師を「周産期搬送コーディネーター」として、今秋をめどに東京消防庁に設置することを決めた。(熊田梨恵)
厚労省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』に対しドラッグラグやワクチンラグに悩む6つの患者団体が連名で緊急要望書を出している問題は、29日に開かれた同検討会で、座長が秋以降にラグ問題についても議論したい意向を示した一方、一部委員は否定的意見を述べた。(川口恭)
厚生労働省が今年3月に一般病棟の5484床に実施した実態調査によると、91日以上入院している患者が約2割を占めていたことが分かった。15:1入院基本料を算定する3623床のうち8.1%が、13:1入院基本料を算定する1861床のうち4.8%が、それぞれ1年以上の入院だった。(熊田梨恵)
医薬品の用法の厳格化を求めるなどの第一次提言を出した厚労省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』に対して、先般、ドラッグラグやワクチンラグに悩む6つの患者団体が連名で要望書を出した。その真意はどんなことなのか、要望書の取りまとめをした「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」事務局長の高畑紀一氏に聴いた。(川口恭)
2009年8月号から聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県)での配置がはじまりました。
総務省消防庁は7月22日、急激なアレルギー反応によって生命が危険な状態になる「アナフィラキシーショック」を起こした患者に救急救命士が行う携帯用エピネフリン製剤の投与について、具体的な運用に関する報告書案を有識者会議に提出した。各地域で策定する運用ルールの例を示した上で、呼吸困難やじんましんなどアナフィラキシーが疑われる症状が起こっている段階から対応するよう求めている。(熊田梨恵)
昨年に相次いだ妊婦の救急受け入れ困難の問題をめぐる報道では、早産となった妊婦が周産期母子医療センターに救急搬送されるシーンが目立ったが、実際に「ハイリスク」と言われる出産は、早産よりも、小さく生まれる「低出生体重」ケースの方が多い。新生児医療を専門にする東京女子医大の楠田聡教授が「日本の新生児の運命」と題したフローチャートで示した。(熊田梨恵)
東京都は来年度から2年間、新生児集中治療室(NICU)に長期間入院している子どもがスムーズに在宅に戻れるよう、院内に退院支援コーディネーターを配置するなどのモデル事業を実施することを決めた。慢性的なNICU不足の解消を図ることが目的で、国内でも初の取り組みと見られる。(熊田梨恵)
2010年度診療報酬改定に向けて厚生労働省が実施した慢性期入院医療に関する実態調査。しかしその内容は、本来なら同時期のデータとなるべき部分は揃っておらず、必要な調査項目は予算不足で実施できなかったという。このようなことで医療機関にとって正しい評価につながる診療報酬改定のための議論ができるのだろうか。(熊田梨恵)