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「細菌性髄膜炎を定期接種対象に」 子どもたちを守る会、4度目請願

100323zuimakuen.JPG「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」(田中美紀代表)は23日、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種化などを求める要望書を長妻昭厚生労働大臣に手渡した。これに先立って衆参議院議長宛にも約4万筆の署名を添えて同様の請願を行った。同会による国会や厚生労働省に対する請願はこれで4回目で、集めた署名は計20万筆になる。(川口恭)

 要望書の内容は、以下の3項目。

1、ヒブ(Hib=インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌による細菌性髄膜炎を定期接種対象疾患(一類疾患)に位置づけること。
2、ワクチンの医学的な必要性の明確化と有効性の確認のため、ワクチン関連疾患の原因病原体別発生頻度について全数把握を行うこと。
3、感染症対策およびワクチン施策を迅速かつ円滑に行うため、現在のワクチンメーカーと医薬品医療機器総合機構および外部専門家によるワクチンの審査組織を改善し、小児市中感染症の専門家、ワクチン接種者の代表を加えた委員会および審査組織を構築すること。

 民主党政権が発足したばかりの際に行った前回請願から、ほとんど変わっていない。政権交代しても何も動いていないということだ。

 長妻氏は、これに対して
「1に関しては、子宮頸がんと共に非常にご要望をいただいている。昨年12月に予防接種部会というものを政権交代で設置して、その中で検討していくことにしている。2点目については、全数把握の前に今も500くらいの医療機関で定点観測を行っているので、その中で把握された細菌性髄膜炎で、原因がヒブなのか肺炎球菌なのか分かる範囲内で今月中にはお示しできるものがあるだろう。3番目については、ワクチン行政全体の話でもあるが、アメリカでACIPというかなり全国民的な国家レベルの組織があるようなので、わが国でもワクチン行政全体の中で検討して参りたい」などと答えた。

 大臣と面会後の記者会見では、昨年12月に1歳9カ月の次男を亡くした山口県の齋藤裕子さんが遺影を前に「発熱して翌日夜には意識も自発呼吸もなくなり、初めてこんなに恐ろしい病気があるのかと細菌性髄膜炎という病気を知った。医師からヒブによる感染と言われ、ヒブワクチンを接種していれば防げたと知り、自分が無知だったことをすごく責めた。ただ、髄膜炎のこと、ヒブワクチンのことを正しく理解していたなら積極的に接種させただろうかと言えば必ずしも自信を持って、はい、とは言えない。5歳の長男がいるのだが、その時も打たなくても大丈夫だったし、まさかウチの子供に限ってと思う方も少なくないだろう。それが任意接種の壁だと思う。自分で具合の悪さを言葉でうまく伝えられない幼い子供たちが多く犠牲になる病気。だからこそ、早い月齢からすべての子供たちの予防をできるよう、定期接種化を願う。次男が命をもって示してくれた大切なメッセージだと思う。このような悲劇が繰り返されないためにも一日も早い、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの定期接種化を強く望む」と述べた。

 定期接種化の問題に関しては、長妻大臣も述べた通り予防接種法の「抜本的改正」の作業が始まっているが、15日の会合でいみじくも座長と黒岩委員がやり合ったように、個別の検討が止まるという困った状況になっている。

 守る会の高畑紀一事務局長は「議論をしている間にも罹患する子供がいる。直ちに定期接種化を」と述べ、田中代表も「まず子供たちの命を守ってから、制度の議論をしてほしい」と主張した。「これで動かなければ、もう正攻法は取らない」という。

 厚生労働省と予防接種部会の当事者能力が問われている。大臣要望の際に列席していた担当課長と課長補佐の顔は険しいものになっていた。感動して険しくなったのか、面倒なと感じて険しくなったのか。前者だと信じたい。

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