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急性期病院の機能評価、迷走再び

DPC分科会を傍聴する中医協会長ら0716.jpg 2012年度の診療報酬改定に向け、入院期間の短縮や救急患者の受け入れなど急性期病院の機能を収入に反映させる「新たな機能評価係数」の議論が中医協の分科会でスタートしたが、再び迷走を始めた。(新井裕充)

 今年度の診療報酬改定では、前年度の収入実績を保証する係数に置き換わる「新機能評価係数Ⅱ」として6項目が導入されたが、この議論を開始した08年末には約50項目の候補があった。
 それが09年初めに35項目、夏ごろに13項目、11月に9項目、12月に7項目に絞られ、今年1月の中医協総会で6項目に決まった。

 多数の候補が"落選"した表向きの理由は主に「既存のデータでは不十分」ということだった。ならば、これほど多くの時間をかけて議論する前に、「既存のデータで評価が可能か」を先に決めるべきだった。
 当初は、病院が持つさまざまな機能を収入に反映させる仕組みだと期待する声もあり、診療報酬だけでは採算が合わない救急医療や小児医療などが充実すると思われたが、最終的には特定機能病院を中心とする大病院に手厚い係数になったとの指摘もある。

 次期改定に向け、再び「新機能評価係数」の議論が始まったが、今回改定で最終コーナーまで残った「チーム医療」などの数項目がすでに見えている。それなのに、厚労省の担当者は次期改定で導入する項目案は「出ていない」と言い切り、導入するにふさわしい項目かどうかをこれから調査するという。

 7月16日の中医協・DPC評価分科会で、厚労省は「平成22年度改定・DPC制度に関する調査等の対応案」と題する調査案を示した。
 その中で、新たな機能評価係数を導入した後の診療行動の変化については「職員アンケート」を実施、次期改定で導入する項目の調査は「個別項目の議論の進展に応じて今後検討」などとした。これでは、病院の意識調査をしたいのかデータ収集をしたいのかが分からず、議論は迷走した。

 厚労省は、全医療機関が目指すべき方向性として「医療の質の向上」などを挙げている。終着駅のない旅がまた始まるのだろうか。(委員の発言要旨は5ページ以下を参照)

 
【目次】
 P2 → 厚労省の説明① ─ 調査の目的
 P3 → 厚労省の説明② ─ H21調査の再集計
 P4 → 厚労省の説明③ ─ H22調査
 P5 → 「様式1のデータも調査すべき」 ─ 池上委員
 P6 → 「平成21年と22年のデータを比較できるか」 ─ 酒巻委員
 P7 → 「アンケートを提案した理由は2つ」 ─ 厚労省
 P8 → 「評価が得られなければ改善もあり得る」 ─ 池上委員
 P9 → 「医療圏によって違ってくるのではないか」 ─ 金田委員
 P10 → 「影響の評価とは、どういうことを見るのか」 ─ 小山会長代理
 P11 → 「今後、導入を検討する項目案は出ていない」 ─ 厚労省
 P12 → 「今あるデータを整理する作業がまず必要」 ─ 松田委員
 P13 → 「アンケート調査か、データ分析か」 ─ 小山会長代理
 P14 → 迷走は続く


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