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ニュース〜医療の今がわかる

後期研修班会議1

有賀
「安心した。私は臨床研修の第三者評価の委員長を仰せつかっているので、内情を知っている。頑張っているところとそうでないところとの格差が相当ある。そもそも医学部教育をちゃんとやるところから差がある」

土屋
「ローカルな話で恐縮だが、がんセンターでは後期研修しか取らない。従来は3年目でも、まあ各診療科に入れて大丈夫だったのだが、今はできれば初期を終えた後で1年か2年後期研修も受けてきた方が望ましいと募集要項に書いている。外科の場合でいえば、手術するのに良性なんかないから、最初からがんセンターに来ると外科の専門医資格も取れなくなっちゃう。そういうのを見ていての実感は、アメリカならメディカルスクールを出た程度でしかないということ。基準を置く場合は最低のところに合わせないといかんという認識だ」

川越
「検討会でも突っ込んだ議論が行われて2年では長すぎるとか学部段階でやればいいとか踏み込んだ意見が出ていたかと思う。もし向こうで話が進んでいるのであれば、こちらにも同時並行的に情報がほしい」

土屋
「一回目を傍聴してきたけれど特に進展はなかった。制度をつくった人たちはいい制度だと言い、そうでない人は変えろと言っていた」

阪井
「専門バカにはなっていかんという件だが、私自身、北米で卒後研修を受けた身として言えるのは、向こうでは感染症でも呼吸器でも必要に応じて専門家を呼び集めてやっていた。そういう風にうまくいっているのは、全体のことが分かって旗を振っている人がいたからだった。専門医も元々は総合内科などやってから移行しているので、それぞれに素養はある。卒後研修の中でも、まず総合教育をみっちりやってから専門科へというのが必要だと思う」

外山
「初期研修について、もう一言。今の初期研修の期間が1年がいいのか2年、3年がいいのかは別にして、制度が悪者という発言をしている方がいたらぜひその真意を伺いたいし、私も意見を述べたい。これは少なくともここ数年では唯一の医療のヒット商品だと認識している。たしかに総合臨床医になるには2年は短いかもしれないが、逆にたとえば胸部外科の基本的なところをマスターするのだって2年ではとても足らない。むしろ一度切って別のものと考えた方がよいのでないか。初期と後期のつながりで考えても、施設によって違う制度が入れられているので難しい。本当につなぐのなら初期の在り方も含めてもっと議論すべきだろう」

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