厚生労働省の足立信也政務官は8日、今年度の補正予算の見直しに関する地域医療再生基金の執行について、現状では「まだ決まっていない」と述べた。(熊田梨恵)
総額2700億円を配分するとして前政権時代に配分対象者30人が公表されている「最先端研究開発支援プログラム」で、配分対象者の中に、審査員の夫が含まれていることが分かった。このプログラムについては、鈴木寛・文部科学副大臣が就任早々「選考過程が不透明」と見直す方針を明らかにしている。(川口恭)
末期がんや肝硬変などで難治性腹水症を起こした患者の、腹腔内に溜まった腹水を静脈経由で全身に戻す医療機器の『デンバーシャント』が、メーカーの事情により先月から欠品を起こしていることが分かった。全く同じように使える代替品は国内にないという。昨年末の骨髄フィルターに続き、またも医療機器に欠品騒動が発生したことになる。背景にある日本固有の高コスト構造を是正しない限り、今後も次々に欠品が生じるだろうと見る関係者もいる。(川口恭)
「何よりも都道府県職員と、一般市民が分かっていなければどうにもならない」-。都道府県が来月にも策定準備を始める救急患者の搬送・受け入れルール。ルールが機能するかどうかのカギは、都道府県の一般市民に対する周知や普及啓発であることが浮き彫りになってきたが、ルールの指針を検討している国の会議で具体的な議論のしようがないために抜け落ちているポイントでもある。果たして現場に降りた時にルールは機能できるのだろうか。(熊田梨恵)
舛添要一・前厚生労働大臣の側近として省内改革に取り組んできた村重直子課長補佐(前・大臣政策室政策官)が5日付で内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)付に異動した。前大臣の省内改革を熟知している同氏により、行政刷新会議の厚生労働行政検証に新たなノウハウが加わることになる。(川口恭)
今年はじめ骨髄移植に必要なフィルターの供給が途絶しかねない状況が生じていた問題に絡み、わが国の2月の骨髄移植実績が対前年比78%と他の月に比べて明らかに少なかったことが、アメリカ造血細胞移植学会学会誌(Biology of Blood and Marrow Transplantation)に掲載された論文で明らかになった。代替品を超法規的に迅速承認したために供給途絶こそしなかったものの、「代替品に保険が利くのかなど必要な情報を、厚生労働省などが適切に発信しなかったため、現場では移植を見合わせざるを得なかったと考えられ、患者に不利益が出ていたと推論できる」と論文を投稿した研究者は分析している。(川口恭)
出産育児一時金騒動を振り返るシリーズの2回目。(1回目の記事はこちら)
「新政権に期待したいのは、良い意味で医療に人が雇えるように、新しい雇用の創出。これは社会福祉も介護もそうです。全部そうですね。保育所もそうですよ。そういう所で人が働ければ、世の中が変わってくる。今こそ発想の転換をして、こういうところで雇用をつくってくれないかな、こう思っているわけです」─。埼玉県済生会栗橋病院副院長で、NPO法人「医療制度研究会」の副理事長を務める本田宏氏は9月27日、京都府保険医協会(関浩理事長)が主催したシンポジウムで講演した。(新井裕充)
出産育児一時金に関して、開始直前にバタバタと見直しが行なわれた。なぜ、こんなことになってしまったのか。事の経緯を追っていくと、泥沼にはまっている医療事故調問題と共通する構造が見つかった。厚生労働省と医療界との馴れ合いの関係が時代にそぐわなくなってきていること、それなのに依然として医療界に自律の動きは鈍いことが、改めて浮き彫りになったとも言える。(川口恭)
総務省消防庁と厚生労働省は2日、「傷病者の搬送及び受け入れの実施基準等に関する検討会」(座長=山本保博・東京臨海病院院長)を開催し、都道府県に策定が義務付けられた救急搬送・受け入れルールについて、作業部会がまとめたルールの指針となるガイドライン案を報告した。搬送実績を毎年調査・分析してルールを見直すことや、搬送先となる医療機関を▽緊急性▽専門性▽特殊性-の三つで分類することなどが盛り込まれている。(熊田梨恵)
出産育児一時金の制度一部見直しに関して、足立信也・厚生労働政務官の説明は以下の通り。(川口恭)
民主党の梅村聡参院議員は1日、出産育児一時金の支払い方法変更に関する妊産婦へのメッセージとして、「妊婦さん側からしたら、窓口で払う、払わないだけの問題ではなく、中小の医療機関がやっていけるかどうかの瀬戸際の事です。長期的に見れば日本のお産全体を守る事になります」と述べた。産科医療機関の資金繰り問題の早期解消に努めるとして、「妊婦さんに未来のある改革をしていきたいと思っているので、そこはご安心ください」と語った。(熊田梨恵)
民主党の梅村聡参院議員は1日、出産育児一維持金の支払い方法変更に伴い産科開業医の資金繰り不安が表面化している問題について、医療機関への猶予を実施している間に「(一時金が医療機関に振り込まれるまでの)タイムラグをつくらない仕組みを作っていくことが必要」との認識を示し、振り込まれるまでの期間の短縮や受領委任制度の手続きの簡略化などが必要とした。(熊田梨恵)
出産育児一時金の支払い方法変更に伴い長妻昭厚生労働相が制度開始を一部医療機関に対して猶予する旨の発表を行うなど急な変更が起こっていることについて、民主党の梅村聡参院議員は1日、「(出産費用を)払ってもらえない事が多いのは大きい医療機関。この制度では小さい医療機関の資金繰りが苦しくなる。本来恩恵を預かるところと被害を受けるところが別だった」と述べ、今回の猶予は新制度と現場の実態の間にあるギャップから発生した、産科開業医の資金繰りの問題を解決するためのものと解説した。(熊田梨恵)
『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』は、これまで政治家では舛添要一・前厚生労働大臣が一人だけ目立つ場だった。しかし30日に開かれた第16回会合には、長妻昭大臣、山井和則政務官、足立信也政務官の3人が顔をそろえて、それぞれ自分の言葉で所信を述べた。また、かつて薬害肝炎原告団の代表として委員を務めた福田衣里子代議士も傍聴に現れ、政権交代をまざまざと印象づけた。(川口恭)
出産育児一時金の支払い方法が10月から変更されることに伴って産科開業医に資金繰り不安が表面化している問題で、厚生労働省の長妻昭大臣が29日に制度開始を一部医療機関に対して猶予する旨の発表を行ったが、マスコミ報道だけでは何がどうなったのか今ひとつ分からないという声も多い。そこで足立信也政務官に話を整理してもらった。(川口恭)