厚生労働省は5月28日、介護職の賃金アップを図る事業所に交付金を支給する「介護職員処遇改善交付金(仮称)」について、7月に事業所への説明会を実施し、8月にも交付金申請の受付を始めるよう、都道府県や中核市の担当者に指示した。(熊田梨恵)
:2009年5月の記事一覧
厚労省は5月28日に都内で開いた全国介護保険担当課長会議で、複数回にわたる指導を受けながらも届け出を行わない有料老人ホームの設置者に対し、罰則適用も視野に入れて指導を徹底するよう自治体の担当者に求めた。有料老人ホームに該当しながら届け出を行っていない施設が、4月末時点で446件に上ることも明らかにした。(熊田梨恵)
2010年度の薬価制度改革に向け、厚生労働省は5月27日の中医協・薬価専門部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)で、「後発品のある先発品の薬価改定の特例ルール」(特例引き下げ)を重要な検討課題とする方針を示した。薬価改定の頻度(2年ごとの実施)と、後発品の薬価収載(年2回)については、「引き続き注視していくことが必要ではないか」として、今回は対応しない意向を示している。(新井裕充)
政府の新型インフルエンザ対策をサポートしている専門家諮問委員会の尾身茂委員長(自治医科大学教授)は28日の参議院予算委員会で、「ウイルスの病原性にアジャストするような対策を作ることが課題。厚生省がすぐやるべき」と述べ、行動計画を早期に作り直すことが必要との見解を明らかにした。岡部治彦・・国立感染症研究所感染情報センター長も、「第二波が来るものと考えて、次の想定をした方がよい」と述べた。(川口恭)
厚生労働省は5月27日、中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)を約2年ぶりに開催。2010年度診療報酬改定に慢性期医療の「質の評価」を導入していくための議論を開始した。(熊田梨恵)
参議院予算委員会は28日午前、新型インフルエンザの対応について集中審議を行う。25日に民主党委員の要求した参考人の招致が認められずに理事会が紛糾した際、「別途機会を設ける」となっていたもの。与党側も別の政府参考人を推薦した。この問題を巡っては、政府の対応が功を奏して終息に向かっているとの見方と、あえて見つけないようにしているだけで既に国内に多数の患者がいるとの見方とが真っ向から対立している。論戦の模様か注目される。(川口恭)
勤務医と開業医の報酬格差の根拠とされている「医療経済実態調査」について、5月20日の中医協総会で支払い側委員は、「回答率を上げるような努力をぜひお願いしたい」と診療側に求めた。これに対し、診療側の委員は「回収率を上げるのであれば、2号側(診療側)ではなく厚労省にも伝えていただいた方が筋としては正しい」と反論した。(新井裕充)
東京都は今年度中にも、受け入れ先が見つからない妊婦の搬送先について、東京消防庁内に配置された助産師が調整する「搬送コーディネーター」をスタートさせる予定だ。都の周産期医療協議会は、今年1月から多摩地区で助産師によるコーディネーターを実施している杏林大附属病院の話を聞きながらディスカッションした。委員からは「ベテランでなければ消防庁内でコーディネートするのは難しい」などの意見が上がった。(熊田梨恵)
「労基署の助言もあるが、交替勤務ができるような周産期センターの形をとらないといけない段階になった」―。東京都では昨年度、相次ぐ妊婦の救急受け入れ不能や、労働基準監督署から周産期医療機関への是正勧告など、数々の問題が立て続けに起こった。都の周産期医療体制を議論する「東京都周産期医療協議会」では、医師確保と労働環境改善のバランスなどについて、さまざまな意見が出た。(熊田梨恵)
来年4月に独立行政法人化されるがんセンターや循環器病センターなどの国立高度専門医療センター(いわゆるナショナルセンター・NC)に関して、与謝野馨財務大臣は25日の参議院予算委員会で「来年度予算で財政状況を健全にする」と述べた。多額の債務を背負わされて首が回らなくなり、運営費交付金欲しさに天下りを受け入れざるを得なくなるのでないかとの懸念を払拭した形だ。(川口恭)
25日の参議院予算委員会は開会が1時間遅れた。新型インフルエンザ対策を検証するため、委員が政府参考人として出席を求めた厚生労働省職員2人について、招致を認めるか否かで理事会が紛糾したためだ。結局、2人の招致は認められず、出席を求めていた委員は「通告済みの参考人が来ないというようなことは過去に記憶がない。(1時間待ちぼうけを食らった)4人の大臣よりも、厚生省には偉い人がいるということだ」と痛烈に皮肉った。(川口恭)
患者団体19団体からなる『患者の声を医療政策に反映させるあり方協議会』が23日、自民、公明、民主、共産の国会議員を1人ずつ招き、「各党の医療政策に患者の声を届けよう!」なる勉強会を都内で開いた。協議会の求める『医療基本法』制定に、全員が協力することを約束した。(川口恭)
新型インフルエンザの感染拡大が伝えられる中、やはり気になるのは「どうやってわが身を守るか」ということ。なかでもマスクの効果には諸説ある。本当のところ、どうなのだろうか。(堀米香奈子)
昨年秋に都内で起こった妊婦の救急受け入れ不能の問題を受け、重症の妊婦を必ず受け入れる「スーパー総合周産期センター」の設置を決めた東京都の周産期医療協議会が5月21日、今年度の初会合を開催した。スーパー総合への搬送につながらなかったケースの情報を収集して運用状況の検証を行うほか、NICU満床で受け入れた場合の新生児への対応や、都外から搬送依頼があった場合の受け入れの可否などについても検討していく方針を決めた。(熊田梨恵)
新型インフルエンザに対し、ほぼ沈黙したままだった日本感染症学会が21日、「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」という緊急提言を発表した。数年以内に全国民が感染するとの見通しを示すとともに、患者を発熱外来だけで受け入れる時期は既に過ぎており、全医療機関での診療と感染予防対策が求められるとの見解を明らかにしている。市独自の判断で、封じ込めから蔓延期対応に切り替えた神戸市の対応を追認する形だ。 (川口恭)
「病院見学の時間をなくすことで、3次救急のベッドを埋めている患者を速やかに慢性期病院に移し、本来の救急病院の機能を取り戻せれば」―。東京都内で5月20日、急性期病院と慢性期病院の連携によって患者の速やかな転院を促そうとする「東京都療養型病院研究会連携プロジェクト」の初会合が開かれ、参加する病院の職員ら約70人が初の顔合わせを行った。(熊田梨恵)
確実に国内での感染を広げている新型インフルエンザAH1N1。手洗いなど消極的な予防策だけでなく、もっと積極的な予防策であるワクチン開発を急ぐべきと考えている方も少なくないだろう。しかし焦りは禁物だ。(堀米香奈子)
「少々気が早いですけれども」―。厚生労働省老健局の鈴木康裕老人保健課長は、社会保障審議会介護給付費分科会調査実施委員会(座長=田中滋・慶応義塾大教授)に対し、介護報酬改定前に実施している介護事業経営概況調査について、月単位の収支把握から、年単位に変更することを提案した。介護報酬改定の大元となる基礎データの調査方法が、大きく変わろうとしている。(熊田梨恵)
vol.45(09年6月号)の記載に誤りがありました。
謹んで訂正申し上げます。
P8、2段目11行目から12行目にかけて
(誤)「日本人の栄養摂取基準」
(正)「日本人の食事摂取基準」
『持病のない人は受診を控えて』という昨日の記事をお読みいただいた方の中には、「インフルエンザなら、タミフルをもらって治療すべきではないのか。大丈夫なのか」と、疑問を感じた人もいるかもしれない。結論から言うと、軽症であれば大丈夫だ。(堀米香奈子)
「基本問題小委員会で分科会長がいじめられる」―。5月20日に開かれる中医協・基本問題小委員会を前に、DPC評価分科会で"作戦会議"が行われた。「DPCの導入によって医療の質は低下していない」との報告に対し、DPC(入院費の包括払い制度)を批判している日本医師会はどのような主張を展開するだろうか。(新井裕充)
日本は、国内第一号患者の発見こそ遅かったものの、昨日の時点で、一気に患者数が世界で4番目の多さとなった。国内での人から人への感染が、現実の脅威となっている。こんな時、私たちはどうしたらよいのか。(堀米香奈子)
厚生労働省は5月18日、社会保障審議会介護給付費分科会調査実施委員会(座長=田中滋・慶応義塾大教授)の第2回会合を開催し、今年10月に実施する介護職員の処遇改善状況に関する調査の詳細項目を大筋で取り決めた。特別養護老人ホームや訪問介護事業所など約6000の事業所で働く、介護職員や看護職員など約6万3000人が対象になる予定だ。(熊田梨恵)
2010年度の診療報酬改定で導入される「新たな機能評価係数」について、5月14日の中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は、「救急」「4疾病5事業」「チーム医療」「副傷病」などの項目を審議した。「新たな機能評価係数」の候補に関する厚生労働省の説明と、委員の発言要旨をお伝えする。(新井裕充)
「患者が一つの病院に集中して、脳外科診療を続けられなくなった。医療崩壊が表れた」―。国が示す脳卒中医療の体制を構築するため、東京都が3月に開始した脳卒中患者の搬送連携システム。制度設計を考えてきた協議会の委員や事務局は「走りながら考えるしかない」としながらも、現状の医療提供体制に悪影響を及ぼさないよう地道に議論を続けてきた。しかし、実際に搬送システムが稼働した後、地域医療に問題が発生しているとの報告が上がってきた。(熊田梨恵)
東京都が3月から開始している、24時間重篤な症状の妊婦を受け入れる「スーパー総合周産期センター」について、該当する救急搬送ケースがこれまでは発生していないことが分かった。都は21日に開く周産期医療協議会で、センターの今後の運用について見直しも含めた議論に着手する。(熊田梨恵)
12日付の米ニューヨーク・タイムズ紙が、米国の専門家のコメントとして「メキシコの2病院で新型インフルエンザ患者の3分の1が発熱しておらず、発熱しない患者のいることがまん延防止を難しくした」と報じた。これが本当ならば、各国も対策の練り直しを迫られることになる。これに対してメキシコのコルドバ保健相は、13日の記者会見で「(患者の)91.7%に発熱が見られている」と否定した。=日付は現地時間 (川口利)
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東京都は5月13日、脳卒中医療連携協議会(会長=有賀徹・昭和大病院副院長)の今年度の初会合を開催した。都が3月9日から開始している、急性期の脳卒中医療が必要な患者の救急搬送体制について検証し、地域連携クリティカルパスの活用についても検討していくことを確認した。(熊田梨恵)
『患者の視点で医療安全を考える連絡協議会』が主催し、6党6人の医師出身国会議員を集めたシンポジウム「医療版事故調~国会での十分な審議と早期設立を求めて~」が12日、都内で開かれた。会場との質疑応答に多くの時間が割かれたため、議員どうしが討論して各党の差異や接点を明確に浮かび上がらせるまでには至らなかったが、興味深いやりとりが繰り広げられた。少し丁寧にお伝えしていく。(川口恭)
救命救急センターへの補助金の額を左右する国の評価項目が来年度から厳格化される。相次ぐ救急受け入れ不能に対応するためとの名目だが、現場から「これでは救命センターを返上せざるを得ない」との声が上がっている。(熊田梨恵)
舛添要一厚生労働大臣は11日の衆議院予算委員会で、新型インフルエンザに関する検疫の結果、感染者の濃厚接触者として停留されている人々の扱いについて、停留期間短縮を検討していることを明らかにした。(川口恭)
最終回「お金の不思議」
組織存続の意味が変わるか。増える人件費は企業の手数料に依存
医薬品医療機器の審査、安全情報の収集・対策、被害救済という国民の生命に直結する業務を行っているのだから、当然運営費を国が負担しているのだろうと思いきや、「PMDAには、ほとんど国のお金は回っていない。ほぼ独立採算に近い」(PMDA職員)。
ここまではPMDAに関する「不思議」をお届けしてきたが、PMDAの中で働く人たちまでもが不思議というわけではない。「患者さんの役に立ちたい」という思いを熱く語るスタッフだ。
全国医学部長病院長会議は7日、傘下にある全80大学の医学部長と付属病院長に対して、「国民から信を得られる医療事故調査を行うこと」を勧告したと発表した。会見した嘉山孝正・「大学病院の医療事故対策に関する委員会」委員長は、「適切な事故調査をしていない大学もあるようだ。放置していては国民の信頼を得られない。大学の自律・自浄の第一歩と考えていただきたい」と語った。(川口恭)
(2)「歴史の不思議」
薬害発生とともに改編された組織
国内で薬害が発生するたび医薬品行政にかかわる組織が改編され、そして今のPMDAがある。
薬害肝炎を受けて、薬害防止のために行政のあり方を見直す厚労省検討会の提言がこのほど出された。医薬品の承認審査について多くの紙幅が割かれている。しかし、承認審査の実務を行う組織がどこで、どのように担っているのか、国民に広く知られているとは言い難い。調べてみると、とても不思議な組織だった。(熊田梨恵)
文部科学省は、メディカルクラークを配置しても加算が取れない特定機能病院も人員体制を強化できるようにすることなどを目的に、2009年度補正予算案に医療補助者約1100人分の人件費として30億円を計上した。(熊田梨恵)
森澤雄司・自治医大病院感染制御部部長に教えていただいた。(川口恭)
今回もメキシコ現地時間。ちなみにメキシコには1つの連邦区と31の州がある。(川口利)
厚生労働省検疫官 木村盛世氏インタビュー(川口恭)
きむら・もりよ●医師/厚生労働医系技官。筑波大学医学群卒業。米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了(MPH=公衆衛生学修士号)。優れた研究者に贈られる、ジョンズ・ホプキンス大学デルタオメガスカラーシップを受賞する。内科医として勤務後、米国CDC(疾病予防管理センター)多施設研究プロジェクトコーディネーターを経て財団法人結核予防会に勤務。その後、厚生労働省大臣官房統計情報部を経て、厚労省検疫官。専門は感染症疫学。
メキシコ政府の公式発表を、時間経過と共に追った。日時はメキシコ時間(日本時間からマイナス15時間、日本が5月1日の正午ならメキシコシティでは4月30日の21時)。(川口利)
文部科学省は、山梨大や川崎医科大など国公私立の計24大学病院にNICU(新生児集中治療管理室)やMFICU(母体・胎児集中治療管理室)などに約220床を増やす方針を固め、2009年度補正予算案に当初予算の約10倍となる39億円を計上した。(熊田梨恵)