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ニュース〜医療の今がわかる

siminnokaisimpo.JPG 医療の抱える課題を克服するために国民的大合同をめざそうという『医療志民の会』が発足し、その記念シンポジウムが11日に開かれた。楽観的に言っても、悲観的に言っても、千里の道も一歩からの「一歩」は確かに踏み出した、ということに尽きるだろう。(川口恭)
*写真左側で立っているのは、来賓を代表して挨拶する川田龍平参院議員。

4月9日の「先進医療専門家会議」.jpg 「やるたびに何万円も赤字になってしまう。せっかく保険収載してもらったのに、全くできない状態」―。高度な医療技術について検討する厚生労働省の有識者会議で、金子剛委員(国立成育医療センター形成外科医長)は、先進医療として認められていた医療技術の値段が、保険適用されると下がってしまうことを問題視した。(新井裕充)

 3月末にメディアを賑わせた恩賜財団母子愛育会・愛育病院(東京都港区・中林正雄院長)の「総合周産期母子医療センター」指定返上騒ぎ。労働基準法違反に対する労基署の是正勧告に端を発しているとは言え、唐突さに驚きを隠せない医療関係者がほとんどだった。だが取材を進めてみると、単なる偶発の騒ぎでは済まされない事情が見え隠れする。(熊田梨恵)

 「今の医療は、『とりあえずこの薬を出しておこう』という"とりあえず"型医療。そうではなく、『科学的に病気の性質を明らかにし、その人に合った、副作用がない薬を提供したい』と考えるのがこのプロジェクト」-。日本のゲノム研究の第一人者である、東大医科学研究所ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔氏は4月7日、一人ひとりの体質に合った医療や薬を提供することで副作用のリスクなどを減らし、患者のQOLや医療の質を向上させようという「オーダーメイド医療」の普及啓発シンポジウムで、詰め掛けた約500人の聴衆に呼びかけた。(熊田梨恵)

第1回再生医療における制度的枠組みに関する検討会.jpg 臓器移植や人工臓器に代わる切り札として注目される「再生医療」を進めるための議論が、厚生労働省の検討会でスタートした。委員からは「総経費が年3620万円掛かる」「このまま放っておくと細胞培養室が倉庫になってしまう」など、現状を訴える声が上がった。(新井裕充)

自閉症について講演する松田文雄氏(松田病院院長).jpg 誤解や偏見を持たれることが多い自閉症への理解を求める「世界自閉症啓発デー」の4月2日、東京都内のシンポジウムで、広島市の松田病院院長の松田文雄氏が「自閉症について知ってもらいたいこと」と題して講演した。その模様をお伝えする。(新井裕充)

福田康一郎副座長(右)と荒川正昭座長(中央).jpg 「目の前の医療崩壊だけに目を向けて、即戦力の医者だけをつくるのか」「医師不足は医学教育の問題か」―。医学教育をめぐる今日の課題として、文部科学省が「地域の医師不足」を挙げたことに、委員から不満の声が上がった。(新井裕充)

過去の記事を調べていただくと分かるように、8から11へいきなり跳んだ。これは9回目と10回目が非公開だったため。途中6回目も非公開だった。11回目の議論を聴いていたら、この非公開の3回によって、かなりのコンセンサスができたようだ。土屋了介班長は総括で「全部公開した」と自賛したが、報じる側としては都合のよい部分だけ見せられたようで釈然としないものがある。これに起因するモチベーションの低さのほか、年度代わりのバタバタや超個人的事情もあって報告が遅れた。とはいえ書いておいた方がよいと思われることもあるので、遅まきながら記す。(川口恭)

第6回医学教育カリキュラム検討会(4月3日、文部科学省).jpg 「なるべく患者と接したくないと話す同期の研修医がいる。人と接するのは好きではないが、偏差値が高くて医学部に入る人もたくさんいる」―。今後の医学教育の在り方について検討している文部科学省の検討会で、ヒアリングに参加した研修医が明かした。(新井裕充)

 健康保険証と介護保険証、年金手帳の機能を一枚のICカードに集約する「社会保障カード」(仮称)について議論してきた、厚生労働省の「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」(座長=大山永昭・東工大大学院理工学研究科教授)の作業班は、4月2日に開かれた第13回会合で、医療機関がカードを使って患者の医療保険資格を確認する方法など、具体的な運用について報告した。(熊田梨恵)

 国民の厚生労働行政への信頼回復を図るため、昨年夏に設置された政府の「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」(座長=奥田碩・トヨタ自動車相談役)が3月30日、最終報告を取りまとめ、河村建夫官房長官に提出した。「少子化対策統括本部」(仮称)の設置や非正規労働者対策の担当部の整備などが新しく盛り込まれたものの、省内の連携強化など運用面の改善を求める内容が多く、舛添要一厚生労働相が提案していた厚労省再編案までは踏み込まなかった。(熊田梨恵)

あいさつする文科省の戸谷一夫・大臣官房審議官.jpg 「保健師」「助産師」「看護師」という異なる役割を担う看護職をどのように養成していくべきか―。3職種の教育を併せて行う看護系大学の「統合カリキュラム」の見直しや、「モデル・コア・カリキュラム」の導入、看護学教育の質の保証などについて話し合うため、文部科学省は3月31日、「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」の初会合を開催した。(新井裕充)

 東京都渋谷区の日赤医療センター(幕内雅敏院長)が、渋谷労働基準監督署から、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。同センターは、心臓病など緊急の救命処置が必要な妊婦を必ず受け入れることを目的に、東京都から指定を受けた3つの「スーパー総合周産期センター」の1つで、今月25日からスタートしたところだ。愛育病院が是正勧告を受けたことに続き、全国的にも注目を集めている「スーパーセンター」にも同様の指摘が入ったことで、都の周産期医療体制の維持を危ぶむ声も上がっている。(熊田梨恵)

 恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が総合周産期母子医療センターの指定を返上するとの意向を東京都に伝えていた問題で、東京都福祉保健局医療政策部の室井豊救急災害医療課長は25日夜に取材に対応し、愛育病院側と協議の場を持ったとした上で、「病院側は法律の解釈について厚生労働省と相談し、調整していくということになった」と話し、病院側が総合センターの継続に前向きな意向を示しているとの見方を示した。(熊田梨恵)

『医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班』(班長:土屋了介・国立がんセンター中央病院院長)の最終第11回会合が25日開かれ、科や地域の医師偏在を是正する機能などを持った独立機関の卒後医学教育認定機構(仮称)設立を要望する報告書の提出を決めた。(川口恭)

(速報)愛育病院が総合周産期センターの指定返上を打診

 東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が3月24日、都に対し、総合周産期母子医療センターの指定を返上するとの意向を伝えていたことが分かった。同院は今月17日に所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して労働基準法違反で是正勧告を受けており、現状での法令遵守は通常の医療サービス提供に支障をきたすと判断したとみられる。(熊田梨恵)

 東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が今月、所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。最悪の場合、業務停止に追い込まれるという。同病院は、秋篠宮紀子様が悠仁親王を出産されるなど、条件の恵まれたセレブ病院として知られている。また、1999年には東京都から総合周産期母子医療センターの指定も受けている。他病院に比べて労働条件に恵まれた同病院さえ是正勧告を受けたことで、周産期医療界に激震が走っている。(熊田梨恵)

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