文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる:2009年11月の記事一覧

 「人口密度が低かったり、インフラが整っていなかったりと、地域間格差があるために診療報酬で賄い切れない医療提供体制の部分をカバーするのが、補助金の役目。だから補助金をゼロにされる困るのです」―。行政刷新会議の「事業仕分け」で救急・周産期医療に関する補助金が削減される判定が出された際に抜け落ちていたポイントについて、周産期医療制度に詳しい海野信也北里大産婦人科教授に聞いた。(熊田梨恵)

 来年4月に独立行政法人化される国立高度専門医療センター(NC)6つの「ガバナンス」がこのままでいいのか、どういうものが望ましいのかについて、関連省庁の副大臣・政務官と有識者で議論する「チーム」が27日、内閣府に設けられた。週1回のペースで会合を開き、理念・人事・経理の主に3点について検討、1月ぐらいに一定の取りまとめをするという。(川口恭)

 「これでまた"墨東"の悲劇が起きた時に仕分け人はどう責任を取るのか」-。「事業仕分け」でNICU(新生児集中治療管理室)不足を解消するための支援策を盛り込んだ周産期医療に関する補助金が削減される判定が出たことについて、日本未熟児新生児学会の田村正徳理事(埼玉医科大総合医療センター小児科教授)に聞いた。(熊田梨恵)

左から吉村顧問、河野副会長、小川会長、嘉山委員長.jpgのサムネール画像 行政刷新会議の「事業仕分け」作業で診療報酬配分の見直しによって2010年度診療報酬に対応するよう求める判定が出たことについて、全国医学部長病院長会議(小川彰会長)は26日、鳩山由紀夫首相らに対し、「マニフェストを無視するものであり到底容認できない」とする声明を提出した。中医協委員も務める嘉山孝正同会議委員長は27日の会見で、次回改定で病院の入院基本料を50%引き上げるよう要望した。(熊田梨恵)

 妊婦の救急け入れ不能の原因の一つとされるNICU(新生児集中治療管理室)不足を解消するための支援策を盛り込んだ事業が、「事業仕分け」で「半額計上」と判定されたことを受け、日本未熟児新生児学会(戸苅創理事長)は26日、補助金削減に反対する緊急声明を藤井裕久財務相らに提出した。(熊田梨恵)

櫻井会長.jpg 民主党がマニフェストで約束した医療費増額を実現させるため、民主党議員で作る「適切な医療費を考える議員連盟」が26日に発足した。まずは2010年度診療報酬改定がプラス改定となるよう、来月半ばに厚生労働省の政務三役に提言を提出する。医療費については財務省が診療報酬を引き下げる方針を打ち出しており、梅村聡事務局長は「政務三役を応援していく立場」と議連について述べるなど、年末の予算編成に向けて医療費をめぐる攻防が本格化してきたとみられる。(熊田梨恵)

 慢性期医療などの分野に保険外サービスを充実させて地域インフラを構築するとして、経済産業省が来年度予算に32億円を概算要求した事業について、行政刷新会議のワーキンググループは25日「廃止」と判定した。経産省は保険外の民間サービスと保険給付の医療・介護サービスの連携の重要性を訴えたが、仕分け人は混合診療など規制緩和を省庁間で協議すべきと述べるなど、議論は全く噛み合わなかった。(熊田梨恵)

 国立大学医学部長会議「大学医学部の教育病院の在り方に関する検討委員会」の嘉山孝正委員長は25日、「事業仕分け」で国立大運営費交付金の内容を見直すよう求める判定が出たことについて、「これで交付金の削減が毎年続くようなことになったら大学附属病院はアウトだ」とコメントした。(熊田梨恵)

 「事業仕分け」を行う行政刷新会議のワーキンググループは25日、国立大が2004年度に法人化されて以降、毎年1%ずつ削減されている国からの「国立大学法人運営費交付金」について、位置付けなど在り方自体を見直すよう求める判定を出した。議論は文科省から国立大への出向職員や、大学経営と教育研究のバランスの問題などに集中。大学附属病院については、法人化以降の収入が全体で「1225億円の増」と数字が読まれた以外、議論はなかった。(熊田梨恵)

 鈴木寛・文部科学副大臣は24日、事業仕分けで科学技術研究予算の縮減や廃止が相次いだことに関して、「事業仕分けを国民の75%が支持している。科学コミュニティーの自律が足りず、一般納税者の支持を得る努力、若手研究者の声を聴く努力をサボってきたことのツケが現れた。きちんと現実を受け止め、自分たちのあり方も見直していかなければならない。政治家も反省する」と述べた。

 「関連病院から誰々を大学院に戻すとか、医師の出入りはオープンな場の『医師適正配置委員会』を使います。教授の意向は一切聞きません。」全国医師ユニオンが22日に開いた集会で山形の地域医療について講演した嘉山孝正氏(山形大学医学部長)は、県民代表などから成る第三者評価の機能を持った「医師適正配置委員会」で医師不足地域への派遣などを決めていると紹介した。(熊田梨恵)

大谷貴子委員1116.jpg 2010年度診療報酬改定の基本方針を審議する社会保障審議会の委員に就任した「全国骨髄バンク推進連絡協議会」の大谷貴子会長は、厚生労働省の原案を「患者の視点に立っていない」と批判した上で、基本方針に「患者の負担軽減」を盛り込むよう求めている。(新井裕充)

 勤務医の立場から"医療再生"を訴え、日医に代わる新しい「公」的な医師組織の在り方を提言する小松秀樹氏(虎の門病院泌尿器科部長)は22日、全国医師ユニオンの集会に参加し、日医は社会的な存在意義をなくしており、公益法人制度改革では「公益社団法人」を選択できないと主張した。その上で、日医の受け皿となる新しい法人について「作戦を立てている」と述べ、既に小松氏の方で新しい定款を準備している事を明らかにした。(熊田梨恵)

 大学附属病院や国公立病院など地域の拠点となる国内1549か所の病院のうち168か所が、「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業を認める36協定を結んでいたことが22日、全国医師ユニオン(植山直人代表)の調査で分かった。協定を締結する職種に医師が含まれていないものもあることなどから、ユニオンは「全国の公的な医療機関の多くに労働基準法違反がある」との声明を発表。政府与党や厚生労働省に対し、勤務医の労働環境改善や、労基法を順守する医療機関を評価するような診療報酬の創設を求めた。(熊田梨恵)

西澤寛俊委員(中央)1120.jpg 重症患者を受け入れる「救命救急センター」に軽症・中等症の患者が流れ込む"三次救急の疲弊"を改善するため、厚生労働省は療養病棟の救急受け入れを診療報酬で評価する方針を打ち出したが、病院団体などから反対意見が続出している。(新井裕充)

11月20日の中医協2.jpg 厚生労働省は11月20日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の薬価専門部会と基本問題小委員会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行ったブリーフィング(記者説明)の模様をお伝えする。(新井裕充)

 行政刷新会議の11日の事業仕分けで、漢方薬が湿布やビタミン剤などと共に保険適用を除外するかどうか検討され、ほとんど議論のないまま全体としては除外する方向でまとまった。まだ漢方薬が保険から外されると決まったわけではないが、関係する医師や患者らが危機感を募らせ署名活動を始めた。(川口恭)

 「基本的な呼吸や脈拍の観察ができていない救急救命士が約4分の1から3分の1程度はいる」-。消防庁が開いた救急医療に関する有識者会議に、救急救命士の観察能力や手技に関する調査が示された。救急振興財団救急救命九州研修所の竹中ゆかり教授は調査について、「呼吸や循環を見るための基本手技が不足しているので、改善のための訓練が必要。教育項目や国家試験ガイドラインなどの根本的な見直しが求められる」と話している。(熊田梨恵)

11月18日の中医協.jpg 厚生労働省は11月18日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の総会と基本問題小委員会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行ったブリーフィング(記者説明)の模様をお伝えする。(新井裕充)

 今月7日の『現場からの医療改革推進協議会』の中で、ぜひ皆さんに紹介したいなと思いながら、しかしあまりにも発表が早口だったためメモが追いつかずにいたものがある。簡単な文字起こしができてきたので、ご紹介する。発表者は、財務官僚で現在は預金保険機構金融再生部長に出向中の松田学氏だ。医療界の方々が「当然」と思っていることが、本当に当然のことなのか考えてみていただけると幸いだ。(川口恭)

消防庁が医療界に豪速球

 都道府県に救急患者の搬送・受け入れのルール策定を義務付けた改正消防法が先月末に施行された。「ルール策定」という部分だけがクローズアップされて伝わり、否定的な見方をする医療者も一部いるようだが、この法改正は、これまで一部の業界団体や永田町・霞が関だけで決まってきた医療政策決定のプロセスを変えていく可能性も秘めている。(熊田梨恵)  

 「心肺停止の祖父母を救命センターに運ぶことが最近の家族の"儀式"なので、センターは看取りの場。ベッドが埋まって新患を受け入れられない」「救急隊の搬送時間が長いのは現場で救命処置を行っているから」など、救急医療の搬送・受け入れには様々なエピソードが飛び交っている。来月から消防庁が全国で実施する心肺停止状態の患者の搬送・受け入れ実態調査は、こうしたエピソードの数値化につながり得るため、医療政策の決定プロセスを変える可能性と、医療現場が"言い逃れ"できなくなる可能性の両方を秘めている。(熊田梨恵)

 競合関係にあって共に何かをするということの少なかった日米欧3つの医療機器団体が16日、連名で厚生労働省政務三役宛に要望書を提出した。急激な円高の進行に伴って、来年度の診療報酬改定で医療機器材料の保険償還価格は大幅な引き下げが見込まれており、業界存亡の危機にあるとの認識のようだ。(川口恭)

 総務省消防庁は17日、来月1日から一月間、心肺停止状態の患者の搬送・受け入れの詳細調査を全国で行うことを明らかにした。照会回数や受け入れられなかった理由のほか、搬送先医療機関の種類や家族からの希望などについても調べる。結果は年度末までに公表される予定だ。(熊田梨恵)

 「混合診療を認めればかなり解決する」「医薬局が公共工事をして本当にラグが解消すると思っているのか。何もしてない保険局を呼んでこないと」。16日に開かれた厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第18回会合は、ドラッグ・ラグ解消を訴えた患者代表の声が呼び水となってか、建前抜きの面白い議論が繰り広げられた。(川口恭)

 厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第18回会合が16日開かれた。対立の構図で語られることの多かった薬害被害者とドラッグ・ラグ被害者とが、「問題の根っこは同じ」という認識を確認しあい、これまでになく建設的な議論が繰り広げられた。(川口恭)

 「事業仕分」を行う行政刷新会議のワーキンググループは16日、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格取得後の研修について、国が都道府県への補助金として概算要求している3億5千万円を半額にするよう求める結論をまとめた。財務省側は、予算執行率が低いことや研修受講料が都道府県によって0円~6万円とばらつきがあることなどを問題視し、「何に対する補助なのか基準が不明確」と主張。ケアマネジャーは5年ごとの免許更新の際に研修を受けねばならず、都道府県は今後も研修の実施を続けねばならないため、予算が削減された場合に都道府県の財政負担が悪化して現場に影響することを懸念する専門家もいる。(熊田梨恵)

坂本委員、北村委員1113.jpg 管理栄養士、診療放射線技師、臨床工学技師らの「コメディカル」は決して「小メディカル」ではないのに、病院のヒエラルキーの下では医師、看護師、薬剤師らに次ぐ位置付けで扱われることが多いと聞く。しかし、来年度の診療報酬改定によって、コメディカルの確保が病院経営に大きな影響を及ぼす可能性が出てきた。(新井裕充)

11月13日の中医協02.jpg 厚生労働省は11月13日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の保険医療材料専門部会と基本問題小委員会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行ったブリーフィング(記者説明)の模様をお伝えする。(新井裕充)

長妻昭厚労相1113.jpg 診療報酬の配分を見直す「事業仕分け」への対応などをめぐって中医協が炎上した。診療側委員は中医協として慎重を求める声明を出すよう主張したが、支払側委員は時期尚早論。診療側委員の「責任を取ってください」との発言に支払側が逆上したところで長妻昭厚生労働相が入室、「激しく、時には優しく議論を活発に」などと挨拶した。(新井裕充)

鈴木委員(左)と嘉山委員1111.jpg 認知症の患者が増加する中、厚生労働省は「認知症疾患医療センター」を中心とする対策を進めようとしているが、まだ全国に51か所しか整備されていない。厚労省は、同センターと地域のかかりつけ医との連携を重視しているが、果たしてうまくいくのだろうか。(新井裕充)

jigyosiwake1111.JPG 行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分けが11日から始まった。仕分けの結果として何がどうなるのか今ひとつ不明確だが、たとえば「診療報酬の配分」について『収入が高い診療科の報酬を見直す』とか『開業医の報酬を勤務医と公平になるよう見直す』などということが、圧倒的賛成多数の結論としてまとめられた。(川口恭)

 「志と気概なんかない。行く所ないから来ちゃったという子ばかりだ」。8日の『現場からの医療改革推進協議会』で、シンポジストとして登壇し、理学療法士の養成課程を大学化することを求めた半田一登・日本理学療法士協会会長から、専門学校に関する衝撃の"実態"が明かされた。(川口恭)

 明日から事業仕分けが始まる。医療に対しても大鉈が振るわれるとの事前予測も流れている。担当の仙谷由人大臣は7日の『現場からの医療改革推進協議会』で、医療に対してどのように取り組むかのスタンスを語っていた。ワーキンググループの動きが、整合性の取れたものになるか検証できるよう、あらかじめ記述しておく。(川口恭)

 8月の総選挙で落選した自民党の橋本岳・前代議士は8日『現場からの医療改革推進協議会』で、「日本医師会が自民党支持を見直して、各党と是々非々というのは、西島先生(英利参院議員)が組織内にいて来年自民党から出ると言うのに冷たいなと思うし、日医のそういう態度が医療に対する政治的な信頼を失わせている」と、自分たちの体制はそのままで自民党に距離を置き始めた日本医師会執行部を批判した。(川口恭)

嘉山孝正委員(中央)1106.jpg 「ですから、まさに佐藤君が答えた通りで、今の医療崩壊を招いたのはそこなんですよ。つまり、あなたは『算定した』と言っているけれども、医師の技術料があまりにも低いために医師が立ち去り型になって崩壊したんです」─。新体制3回目の中医協で、嘉山孝正委員(山形大学医学部長)が厚生労働省を質問攻めにした。(新井裕充)

adati110801.JPG 昨日の『現場からの医療改革推進協議会』に登壇した足立信也厚生労働大臣政務官が、6日夜の会見に関して「これだけ重要なデータを出したのに一紙も出てない」とマスメディアに対して憤りを見せた。会見の発言内容は既にお伝え済みだが、グラフをお示ししていなかったので、ここに掲載すると共に昨日の政務官発言のうち該当する部分をご紹介する。(川口恭)

鈴木、嘉山、安達委員1106.jpg 再診料をめぐり、病院と診療所の外来診療が「同一の医療サービス」といえるかが問題となっている。中医協の支払側委員は、「同一の医療サービスを受けた場合は同一の料金にすべきというのが基本」という姿勢を前回改定から崩していない。(新井裕充)

11月6日の中医協2.jpg 「誘導するようなデータを厚生労働省は出してはいかん」「回収のバイアスがあるのではないかというのが我々の印象」─。新体制の中医協で、厚労省が劣勢に追い込まれている。窮地を救うのは、診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)か、それとも邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)だろうか。(新井裕充)

 鈴木寛・文部科学副大臣は7日、都内で開かれたシンポジウムの席上で「小児医療をやっている機関は、これまで厚生労働省に税配分を求めるロビー活動をしてきたと思うが、子供手当ての創設に伴ってお金の流れが変わるので、今後は子供を抱える家庭に対してプレゼンテーションして直接支援を求めていくということが可能になるし、そうなることを期待している」と述べた。(川口恭)

 民主党の福田衣里子衆院議員は7日、都内で開かれたシンポジウムの席上で「薬害とドラッグ・ラグは相反するものという主張をする人たちがいて、お互いに敵対するようにされてきたが、どちらも発生源は同じだ」と述べ、それぞれの解消を求める患者運動は共闘できるとの認識を示した。福田氏は、薬害肝炎全国原告団の代表の1人で、薬害肝炎検討会の委員も務めていた。(川口恭)

 「都道府県の体制は間に合うと考えておられるのか」「前倒しは専門家に諮ったのか」-。6日に厚労省が開いた、新型インフルエンザ用ワクチンの小児への接種時期の前倒しなどに関する記者会見。約1時間のうちの後半30分、足立信也政務官に記者からの質問が相次いだ。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は6日に記者会見し、後期高齢者医療制度を廃止した後の新制度をつくるため、「高齢者医療制度改革会議」を今月中に発足させると発表した。足立政務官は「高齢者だけを集めた一つの保険制度という考え方は取らない」と述べ、65歳以上の前期高齢者も含めて新制度を検討していく方針を示した。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は6日、同日の参議院予算委員会での舛添要一前厚労相の質問についてコメントし、「質問の中で、前政権では(10mlバイアルの導入を)認めていなかったのに、政権が代わって認められたという内容の質問がありましたが、そこは事実と認識が違う」と述べた。(熊田梨恵)

 厚生労働省は6日、1歳から小学校3年生までの子どもと、基礎疾患を持つ小学校4年生から中学校3年生までの子どもへの新型インフルエンザ用ワクチンの接種時期を早め、可能なら今月中旬から接種することを検討するよう都道府県に通知したと発表した。5歳から14歳の子どもが新型インフルエンザに罹患すると重症化する傾向があると示し、同日始まった3回目のワクチン出荷に伴い600万回分の接種が可能になるとして早期の接種を求めた。(熊田梨恵)

 長妻昭・厚生労働大臣は6日の参議院予算委員会で、国産ワクチンの供給量が上方修正される要因となった10ミリリットルバイアルの使用について、「(国内4社のうち)1社が、1ミリリットルの容器で新型のワクチンを作るとすると季節性インフルエンザワクチンの製造を中止しなければいけないという話もあって、我々としては量を確保するためにギリギリの判断をさせていただいた」と述べ、積極的に選択したわけではないことを明らかにした。(川口恭)

 長妻昭厚生労働大臣は6日の参院予算委員会で、ドラッグ・ラグの原因となっている医薬品の適応外使用問題で、今年度補正予算に計上された開発支援費653億円を執行停止したことについて「まだ具体的な医薬品名が決まっていなかったので、有識者会議を立ち上げて36品目を選定し、本予算要求でお金をつけていく。平成23年度の予算できちっと差配する時間軸で検討し、それで十分に対応できると考えている」と述べた。(川口恭)

11月4日の中医協.jpg 厚生労働省は11月4日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の薬価専門部会と基本問題小委員会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行ったブリーフィング(記者説明)の模様をお伝えする。(新井裕充)

 「本来医療保険でカバーすべきでない部分を厚労省にやらせようとするからおかしくなる。疾病や介護予防、在宅での慢性期医療などについて、すでにノウハウを持っている民間の力を生かして周辺サービスを充実させていけば、本来の医療や介護を成り立たせることができ、国民の満足につながる」-。経済産業省は地域ぐるみの健康サービス事業や慢性期医療の支援事業などを国内で展開していくため、来年度予算の概算要求に32億円を計上。医療や介護のインフラ構築に乗り出した。(熊田梨恵)

 治験なしの「公知」で医薬品医療機器総合機構(PMDA)が薬の適応拡大を認めた例について検討・評価した論文が、このほど米臨床腫瘍学会誌(Journal of Clinical Oncology)に掲載された。論文の第一著者は、「医療に関する行政判断に対して学術的検討を加えた例は世界的にも珍しいと思う。法の分野で、判決に対して判例研究が盛んに行われていることを考えると、今後はこのようなアプローチの重要性が高まっていくだろう」と話している。(川口恭)

遠藤会長と嘉山委員1104.jpg 「この資料はもう渡されている。DPCの医療費を決めるのであれば何が問題になっているかを議論したほうが国民のためになる。ただ座って説明を聴いているだけ。委員になる先生方のようなIQがあれば分かることだ」─。新体制で再開した2回目の中医協で、新任の嘉山孝正委員(山形大学医学部長)が中医協改革にのろしを上げた。(新井裕充)

  このほど米ワシントンD.C.で開かれた第46回日米財界人会議で、医療機器の保険償還価格(医薬品の薬価に相当)の決定方法に関して強く懸念を表明する提言がまとめられた。価格制度が、より透明で予測可能なものに変更されなければ、海外メーカーが日本市場から撤退せざるを得ない状況も考えられ、国内メーカーも海外で販売している商品の国内価格が下がって打撃を受けるという。結果的に医療機器の欠品が起きるとの指摘もあり、今後中医協などでどのような議論が行われるか注目される。(川口恭)

 先月25日に開かれた医療構想・千葉シンポジウムより、最後にご紹介するのは、当日最も共感した豊島勝昭医師の発表。事後に聞いたところによると、会場に着いてから講演するように言われて勧進帳に近い状態だったらしいが、シンポジウム全体の流れも踏まえてほぼ時間ピッタリ、実に理路整然としたものだった。(川口恭)

1103jahm.JPG 医療機関の中で患者側と医療者側の対話の架け橋となる人材『医療メディエーター』の育成を進めている日本医療メディエーター協会が3日、早稲田大学で会員研修会を開いた。生後間もない長男を病院内で失い、その後遺族ケアを行うNPO活動を長く続けてきた愛媛県の寺尾るみ子さんが、医療メディエーターをめざして看護学校へと通うようになったいきさつを語った。(川口恭)

保険局医療課・佐藤敏信課長1030.jpg 小児救急の改善策として厚生労働省は、「小児科医の数は増加している」とした上で、「トリアージ体制」や「小児救命救急センター」などを2010年度の診療報酬改定で評価する方針を示している。小児科医や看護師らが充足しているなど救急受け入れ体制が整っている病院を手厚く評価する意向だが、「地方はピンチな状態で小児科医が辞めている」との異論もある。(新井裕充)

 昭和大医学部の有賀徹教授は2日、都道府県に策定が義務付けられた救急患者の搬送・受け入れルールについて、これまでほとんど医療側のみで議論されてきた医療提供体制について、消防機関側が医療機関側と同じテーブルで議論し、医療提供体制の構築に乗り出すという"転換期"をもたらすものになるとの見方を示した。(熊田梨恵)

 都道府県に救急患者の搬送・受け入れルールの策定が義務付けられたことを受け、東京消防庁は2日、ルールを策定するための協議会の初会合を開催した。ルール策定のために議論を始めたのは東京都が初めてと見られる。具体的な作業を担う作業部会の有賀徹委員長(昭和大医学部救急医学教授)は、「実態としてはルールを新しく策定するのではなく、既に地域にある程度存在しているルールや医療機関リストを、この新しいルールにのっとって整理するということになる」と話した。(熊田梨恵)

 総務省消防庁の開出英之救急企画室長は2日、国が2008年度から実施している救急搬送の受け入れ全国実態調査について、今年度は心肺停止状態など重篤な患者についても詳細に調べていくとして、「今年中にも、全国の消防機関に統計を取っていきたい」と述べた。(熊田梨恵)

再開した中医協2.jpg 「決して誘導されませんから、もう少し踏み込んだ形のものを書いたほうが議論になりやすい」─。新体制で再開した中医協で、遠藤久夫会長が厚生労働省側に要望した。「シナリオはもう変わらない」という自信だろうか。民主党が掲げた「中医協改革」が頓挫したことへの勝利宣言だろうか。(新井裕充)

 インフルエンザの解熱までの期間がタミフルより短いという研究もある漢方薬の麻黄湯に供給不安説が出ている。薬価が安すぎてメーカーが売れば売るほど損をするうえに、原料が生薬(植物)で生産量が限られているためだ。専門の医師からは「こんな大事な時に使えないなんて。薬価の仕組みを根本的に変えないと国民の利益を損ねる」との声が上がっている。(川口恭)

  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
  • 「認知症 それがどうした!」電子書籍で一部無料公開中
サイト内検索
loading ...
月別インデックス