医療界の積年の懸案事項である控除対象外消費税の問題が、政府の税制調査会で議論されることが分かった。この問題に取り組んできた梅村聡参院議員(民主)が今日、大阪市内で開いた国政報告会で初めて明らかにした。(熊田梨恵)
:カテゴリー「医療/機関・施設」の記事一覧
このシリーズの最終回です。
大変長らくお待たせして、すみませんでした。古川勝久氏の2回目です。
『ロハス・メディカル』でも、5月号で東日本大震災関連の記事をいくつか掲載することにしております。雑誌の発行前ながら前倒しで掲載できるものは、どんどん掲載していきますので、ご活用いただけましたら幸いです。まずは、関西版『それゆけ!メディカル』限定コンテンツ、『梅村聡の目』です。
国立がん研究センターの嘉山孝正理事長ら幹部職員は28日に記者会見を開き、福島第一原発から飛散している放射性物質によって、どの程度の発がんリスクが発生していると考えられるか見解を発表した。「原子炉において作業を行っている方々を除けば、ほとんど問題がないといえる」という。(川口恭)
3月11日の東日本大震災では、医療機関も被災したために透析難民が大量に発生、被災地以外での代替が必要になっている。対応するため、日本透析医会(山﨑親雄会長)で全国の会員施設に呼び掛けを行ったところ、被災3県の全患者数を上回る約1万8000人の受け入れが可能になった(24日現在)。特に、電力事情に問題のない近畿以西で、約1万人を受け入れられるという。同会で災害医療を担当する山川智之常務理事(大阪・白鷺病院理事長)に話を聴いた。(熊田梨恵)
ロハス・メディカル関西版「それゆけ!メディカル」の創刊に向け、実家のある兵庫県北部の豊岡市に引っ越してまいりました。豊岡市は人口約9万人、高齢化率27%(2011年2月現在)という少子高齢化の進む農村地域ではありますが、患者のための医療を目指して国内からも注目を集める活動を行っていることを知り、私自身も驚いています。豊岡の医療について、随時お届けしていきたいと思います。(熊田梨恵)
公立豊岡病院日高医療センターの豊岡アイセンター(倉員敏明センター長、23床)で3月21日、視覚障害のある患者同士の交流や情報交換のための院内サロン「すまいる会」が開かれ、地域の患者や家族、医療関係者ら約70人が参加した。視覚障害者のための院内サロン活動は国内でもめずらしく、よりよく見えるように支援するロービジョンケアや福祉制度についても学んだ。会の運営を担った一人の矢坂幸枝医師は「今までは患者さんに何もできなかった時に罪悪感がありましたけど、患者さんにロービジョンケアを紹介することで安心してもらえるので、私たちも自信を持って患者さんと話せます。この会やロービジョンケアがあると医療者も安心して患者に接することができるので、医療者も救われるのです」と話した。
いよいよ最終回です。12回を通して読んでいただくと、医療イノベーション推進室で中村祐輔室長が何をしようとしているか、その一端は見えたのではないでしょうか。
(2010年12月号掲載)
(2010年11月号掲載)
(2010年10月号掲載)
(2010年9月号)
(2010年8月号)
(2010年7月号)
(2010年6月号参照)
(2010年5月号掲載)
(2010年4月号掲載)
(2010年3月号掲載)
(2010年2月号掲載)
都道府県に義務付けられている救急搬送・受け入れルールの策定について、終わっているのは7つの自治体にとどまる事が17日、総務省消防庁のまとめで分かった。残り40の自治体は今年度末までの策定を予定しているが、医療機関や隣接する自治体との調整などに難航しているようだ。(熊田梨恵)
子どもの死亡率の低下は、子どもを亡くす親の数が減るという事も意味するため、悲嘆の気持を共有できる機会も減る。近年まで「不治の病」と言われた小児がんの治療が飛躍的な進歩を遂げる一方で、子どもや親を取り巻く状況も変わりつつあるようだ。聖路加国際病院の細谷亮太副院長(小児総合医療センター長)が24日、中野在宅ケア研究会(東京・中野区)で講演した。(熊田梨恵)
国立がん研究センター(嘉山孝正理事長)は、今週から始めた「がん相談対話外来」「病理相談外来」(セカンドオピニオン外来)に関して、相談担当の医師・歯科医師に1回5000円支払う手当を創設した。国立病院系では初めてのドクターフィー導入になるという。(川口恭)
国が昨年度から実施している、119番で救急車を呼ぶべきか判断に困った患者からの電話相談を受ける救急電話相談のモデル事業が、総務省内の「事業仕分け」で「廃止」と判定された。実際に廃止されるかどうかは選挙後の政務判断に任されているが、もしそうなれば国が描く今後の搬送体制の構築に大きく影響する可能性もある。(熊田梨恵)
総務省消防庁は21日、毎年実施している救急患者の搬送・受け入れの全国実態調査で、今年度は脳卒中患者の状況を調べることを決めた。照会回数や現場滞在時間など救急隊側の情報は消防庁が吸い上げ、確定診断名や転帰など医療機関側のデータは厚労省が集めて、省庁間でマッチングすることを想定している。厚労省が様式の見直しを進めているDPC情報の活用も視野に入っており、医療側に踏み込んだ調査となりそうだ。(熊田梨恵)
1日から独立行政法人化された国立がん研究センター(旧国立がんセンター)の研究所長に、中村祐輔・東大医科研ヒトゲノム解析センター長兼理化学研究所ゲノム医科学研究センター長が兼務で就くことが明らかになった。(川口恭)
日本医師会が厚労省の意を受け医療機関を取り締まるのか、と物議を醸したワクチン接種の優先順位遵守に関して、日本医師会の飯沼雅朗常任理事は9日の検討会で大きく見解を「後退」させ、結果としてどのように提言に書き込むかの結論も出なかった。(川口恭)
昨年、余った新型インフルエンザワクチンを優先接種対象者以外に使ってメディアに吊るし上げられる医療機関がいくつか出たが、今後このような医療機関について厚生労働省は、日本医師会と連携して取り締まる方針らしい。(川口恭)
一昨年に麻酔科医の大量退職が起きた国立がんセンター中央病院で、来年4月から大量退職前を大きく上回る常勤医14人の体制となる見通しが明らかになった。(川口恭)
鈴木寛・文部科学副大臣は16日、個人的意見と断ったうえで、来年度から検討を始める医学部新設について、その設置主体は「立派な病院と看護師養成校を持つ所がふさわしい」と述べた。(川口恭)
16日『意見交換会』の席上、新型インフルエンザ対策本部事務局長の麦谷眞里・厚生労働省審議官が、ワクチン接種のスケジュールに関して柔軟化を「検討している」と述べた。余ったワクチンを対象者以外に打って批判されたり、廃棄して批判されたり、と現場にとって対処に困る事態が起きているとの指摘に対して答えた。ただし、健康成人も対象者に加えてよいか、に関しては福島靖正・結核感染症課長は時期尚早との見方を示した。(川口恭)
11日の内閣府『独立行政法人ガバナンス検討チーム』の議論の模様をご紹介する。NCが厚生労働省の支配がら脱するのか、植民地のままなのかを分けるとあって、非常に中身の濃い白熱した議論が展開された。ただし、最後の最後で「大臣一任」となって、水面下でまだ色々とありそうだ。(川口恭)
13日に行われた新型インフルエンザワクチンの安全性を議論する検討会に、ワクチンの製造者別、ロット別に副反応の数・割合を出した資料が提出された。委員からは、差がないと判断してよいのだよねと助け舟を出す質問があったが、事務局の回答は奥歯にものが挟まったような歯切れの悪いものだった。(川口恭)
文部科学省の鈴木寛・副大臣は11日、都内で開かれたシンポジウムの中で、80年以降増えていない大学医学部を「新設するかどうか、来年から議論を深めていく場を設けることが決まっている」と、医師養成数をさらに増やすために医学部新設も視野に入れていることを明らかにした。(川口恭)
文部科学省の鈴木寛副大臣は11日、都内で開かれたシンポジウムの中で、先頃閣議決定された第二次補正予算の中に、大学医学部の定員増をにらんで約112億円の養成体制強化費が盛りこまれていることを明らかにした。(川口恭)
内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』が11日、ナショナルセンター(NC)の独法化に関する4回目の会合を開いた。理事長などの選考を、厚生労働大臣ではなく新たに内閣府に設ける『独立行政法人管理委員会』で行うことなどが提言された。この日で議論をいったん終了して、仙谷由人・行政刷新相に対応を一任することになった。仙谷氏が今後、平野博文官房長官、長妻昭厚生労働大臣と折衝し、結論を出すという。(川口恭)
8日に開かれた内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第3回会合で、ナショナルセンター(NC)の物品調達相手が一部の業者に偏っていると報告された。委員からは「異常」、「購買のプロが必要」との声が上がった。(川口恭)
内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』が、6つあるナショナルセンターの全職員を対象に匿名アンケートを実施中だ。これまでに計200人ほどから回答があったという。事務局の中間報告によれば、「医師はモチベーションが高く処遇が悪い、看護師はモチベーションも処遇も低い傾向にある」という。(川口恭)
内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第3回会合が8日開かれた。4月に独立行政法人化する6つのナショナルセンター(NC)について、長期債務を一切背負わせない形でスタートさせるとの意見が大勢を占めた。一足先に独立行政法人化した国立大学病院が借金返済のため"瀕死"になっている現実もあり、この方針が貫徹されるか注目される。(川口恭)
先月27日の中央社会保険医療協議会(中医協)で嘉山孝正委員(山形大学医学部長)がこんなプレゼンテーションをしたそうだ。大学病院の実態が分かるという点と並んで、特定機能病院を独立行政法人化する前に気をつけておかないといけない点も見え、内閣府の検証チームと厚生労働省との間でつばぜり合いが行われているナショナルセンターの問題にも通じるものがあり、興味深いのでご紹介する。(川口恭)
先月27日に設置された内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第2回会合が3日開かれた。国立高度専門医療センター(NC)6つの理事長について、週明け7日に公募を開始し年内に任命する案が厚生労働省から示されたが、それ以前に財務内容が不透明だとの意見が相次ぎ、結論は出なかった。(川口恭)
来年4月に独立行政法人化される国立高度専門医療センター(NC)6つの「ガバナンス」がこのままでいいのか、どういうものが望ましいのかについて、関連省庁の副大臣・政務官と有識者で議論する「チーム」が27日、内閣府に設けられた。週1回のペースで会合を開き、理念・人事・経理の主に3点について検討、1月ぐらいに一定の取りまとめをするという。(川口恭)
妊婦の救急け入れ不能の原因の一つとされるNICU(新生児集中治療管理室)不足を解消するための支援策を盛り込んだ事業が、「事業仕分け」で「半額計上」と判定されたことを受け、日本未熟児新生児学会(戸苅創理事長)は26日、補助金削減に反対する緊急声明を藤井裕久財務相らに提出した。(熊田梨恵)
「関連病院から誰々を大学院に戻すとか、医師の出入りはオープンな場の『医師適正配置委員会』を使います。教授の意向は一切聞きません。」全国医師ユニオンが22日に開いた集会で山形の地域医療について講演した嘉山孝正氏(山形大学医学部長)は、県民代表などから成る第三者評価の機能を持った「医師適正配置委員会」で医師不足地域への派遣などを決めていると紹介した。(熊田梨恵)
7日の『現場からの医療改革推進協議会』。昨日ご紹介した松田学氏の講演の前に行われた亀田隆明・鉄蕉会理事長の講演もご紹介しておく。非常に刺激的で、この2つを受けたディスカッションも面白かったので別途ご紹介する予定だ。(川口恭)
今月7日の『現場からの医療改革推進協議会』の中で、ぜひ皆さんに紹介したいなと思いながら、しかしあまりにも発表が早口だったためメモが追いつかずにいたものがある。簡単な文字起こしができてきたので、ご紹介する。発表者は、財務官僚で現在は預金保険機構金融再生部長に出向中の松田学氏だ。医療界の方々が「当然」と思っていることが、本当に当然のことなのか考えてみていただけると幸いだ。(川口恭)
鈴木寛・文部科学副大臣は7日、都内で開かれたシンポジウムの席上で「小児医療をやっている機関は、これまで厚生労働省に税配分を求めるロビー活動をしてきたと思うが、子供手当ての創設に伴ってお金の流れが変わるので、今後は子供を抱える家庭に対してプレゼンテーションして直接支援を求めていくということが可能になるし、そうなることを期待している」と述べた。(川口恭)
先月25日に開かれた医療構想・千葉シンポジウムより、最後にご紹介するのは、当日最も共感した豊島勝昭医師の発表。事後に聞いたところによると、会場に着いてから講演するように言われて勧進帳に近い状態だったらしいが、シンポジウム全体の流れも踏まえてほぼ時間ピッタリ、実に理路整然としたものだった。(川口恭)
仙谷由人・行政刷新担当相は28日、「がん対策基本法をつくったけれど、事務局の厚生省のやり方が自治体に丸投げに近くて、国民の実感として医療環境がよくなっていない。議論を自治体の中で巻き起こしていただかないと前へ進まないのでないか。都道府県が本気になった時、もう1回矛盾が出てくるだろうが、その問題提起が自治体側からされれば、国としても解決できるのでないか」と、がん医療に対して地域レベルで考えることを呼びかけた。(川口恭)
仙谷由人行政刷新担当大臣は28日、独立行政法人化されることが決まっているナショナルセンターや社会保険病院・厚生年金病院の経営について「日本の医療の世界を覆う大変な権威とパワーというものが、その延長線上で現在の日本の医療を再建できるとは限らない。いったん白紙に返して、今の事態を憂慮する専門家の方々と、そのことを理解するガバナンス・マネジメントの分かる方々の共同作業で新たなモデルから」と延べ、ゼロベースで検討する必要があるとの考えを明らかにした。(川口恭)
19日晩に急遽開催された新型インフルエンザワクチン接種に関する緊急ヒヤリングは、大変に白熱して面白かった。しかし終了後の記者たちの顔を見ていると、金曜日の専門家会議について旧来型取材の常識に則って記事を書き、結果的に"誤報"とされて面白くなかったらしい。無理に要約しようとするから間違えるので、当方はあんまり要約しない。(川口恭)
医療経済フォーラム・ジャパンが10月10日に開催した公開シンポジウム「診療報酬改定の方向性」で、中央社会保険医療協議会(中医協)の遠藤久夫会長が「わが国の医療費の水準と診療報酬」と題して基調講演した。前半は医療費抑制策に対する評価、後半は医療費の配分の在り方や次期改定の主要課題について述べた。講演の模様を2回に分けてお伝えする。(新井裕充)
出産育児一時金騒動を振り返るシリーズの2回目。(1回目の記事はこちら)
出産育児一時金の支払い方法が10月から変更されることに伴って産科開業医に資金繰り不安が表面化している問題で、厚生労働省の長妻昭大臣が29日に制度開始を一部医療機関に対して猶予する旨の発表を行ったが、マスコミ報道だけでは何がどうなったのか今ひとつ分からないという声も多い。そこで足立信也政務官に話を整理してもらった。(川口恭)
病院内で医療事故の疑われる事象が起きた際、全国80の大学病院がどのように対応しているのかを、全国医学部長病院長会議が初めてアンケート調査形式でまとめた。「もしとんでもない大学があったら勧告する」(嘉山孝正・大学病院の医療事故対策に関する委員会委員長)という調査だったが、回答から見る限り、事故の隠蔽を招くような規定・運用の不備はとりあえずなかった。嘉山委員長は「自律・自浄の第一歩ができた」と評価した。(川口恭)
出産育児一時金の支払い方法が10月から変更されることに伴って産科開業医に資金繰り不安が表面化している問題で、医療法務弁護士グループ代表の井上清成氏は「新制度を強制することは財産権の侵害であり、憲法違反。事前の差し止め請求なり事後の損害賠償請求なり起こすことになる」と、国を相手取った行政訴訟を準備していることを明らかにした。(川口恭)
鳩山内閣の陣容が明らかになった9月16日午前、厚生労働省内では「医療情報ネットワーク基盤検討会」の今年度初会合がひっそりと開かれた。委員席には、医療事故調の検討会などで「医療の透明化」を声高に主張していた南砂氏(読売新聞編集委員)の姿もある。どこか怪しい香りのする審議会だが、厚労省の担当者は、「国が医療機関から情報を吸い上げて何かやるのではない。ネットワークの基盤づくりを応援する」と話している。(新井裕充)
流行シーズンに入り、10月中旬にも第1波が来ると予想されている新型インフルエンザ(H1N1)について、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長の田代眞人先生にお話を聞いた。(新井裕充)
全国医学部長病院長会議が11日、新政権に対する要望として、旧政府に対して要望してきた事柄を9項目にとりまとめた形で発表した。「特に新しい項目はない」(小川彰会長)と言いつつも、省令見直しが行われたばかりの医師臨床研修制度なども含め医師教育の抜本的改革を求める内容になっている。(川口恭)
国立大のNICU(新生児集中治療管理室)病床数を増床してNICU未設置の大学をなくすなどの内容を盛り込んだ「周産期医療体制整備計画」が今年度から始まることに伴い、不足が深刻な新生児科医の大学への引き上げが懸念されている問題で、増床予定と報道された24校のうち22校で医師の"引き上げ"はなかったことが、阪大医学部小児科の和田和子講師の調べで分かった。(熊田梨恵)
診療報酬の包括払いを推進する民主党の政策を追い風に、厚生労働省は包括払いの拡大に向けて一歩踏み出した。(新井裕充)
民主党の蓮舫政調副会長が傍聴して「聴いてない」と息巻いた9日のワクチン意見交換会。その概要は以下の通り。
出産育児一時金の支払い方法が10月から変更されることに伴って産科開業医に資金繰り不安が表面化している問題で、民主党の鈴木寛政調副会長(参院議員)は9日、「淡々と金額を増やせばよいだけで、支払い方法を変更する必要はない。ただ一度スキーム変更されてしまうと、それを元に戻すのにまた混乱するので、できれば舛添さんは新スキームを止めてほしい」と述べた。(川口恭)
「何をもって在宅医療が進んでいると評価するのか、にわかに答えかねる」─。厚生労働省の担当者は、「これまでの政策は(民主党に)ご理解いただけているとは思うが......」と言葉を濁す。(新井裕充)
出産育児一時金の支払方法が10月から変更されるのに伴い産科診療所に資金繰り不安が出ている問題で、とある産科開業医の声を聞いた。「制度変更の趣旨と違う。我々は踏んだり蹴ったりで、天下り団体が太るだけ。このままではパニックになる」という。(川口恭)
国際医療機能評価のJCIを日本の病院として初めて受審していた亀田総合病院(千葉県鴨川市)に、このほど合格の知らせが届いた。亀田信介院長は「審査を受けるのは大変だったけれど、医療鎖国に一石を投じることになれば」と話している。認証の授与式は来月行われるという。(川口恭)
インタビュー 植山直人全国医師ユニオン代表(老人保健施設みぬま施設長)
「医療崩壊の中心は、勤務医の過重労働など医師に関する問題。地域住民の理解を得て、ともに医療を正常化していきたい」-。国内に初めて誕生した、医師が個人加入する労働組合「全国医師ユニオン」が設立して約3か月が経った。まだ手探りの活動が続く中、医師の労働組合という存在が患者の利益につながっていく可能性を植山直人代表に聞いた。(熊田梨恵)
助産所での分娩を希望する妊婦がいる一方で、医師がいない助産所での分娩は一定のリスクを抱えることにもなる。都のスーパー総合周産期センターでの受け入れが必要になったケースでも、助産所からの搬送があった。(熊田梨恵)
診療科別の収支調査について2回にわたってお伝えしたが、あと1回だけお付き合い願いたい。結論から言えば、政権交代しない限り医療崩壊の流れは食い止められないだろうとの思いを強くした。(新井裕充)
10日に第一回会合が開かれた「第11次へき地保健医療対策検討会」で、メディアでありながら委員に入った前野一雄・読売新聞編集委員が「昨年11月(ママ。10月?)に読売新聞で出した医療改革提言についても意見を言わせてもらえれば」と挨拶した。若手医師の計画配置をうたって物議を醸した提言だけに、今後の検討会で、一企業の私案から「公的」なものへと格上げされないか、注視が必要だ。(川口恭)
東京都内で脳卒中医療連携に関わる急性期から慢性期までの医療機関が集まる「脳卒中地域連携パス合同会議」が7月4日に開かれ、回復期リハビリテーション病棟を有する4病院がパスの影響について報告した。在院日数が約30日短縮したケースや、脳卒中ではないがパスに乗って送られた患者のケースなど、さまざまな報告があった。(熊田梨恵)
13日の医療構想千葉発足記念シンポジウムで亀田信介・亀田総合病院院長が『千葉の医療崩壊 その処方箋は』と題して行った講演のエッセンス。あまり他に聴いたことのない筋立てで、埋もれさせると勿体ないのでご紹介する。(川口恭)
厚生労働省が今年度から始めた、産科医などに分娩手当を支給する医療機関への補助金事業について、医療現場や自治体から「頑張っている産科施設に補助金が渡らず、勤務医の待遇改善につながらない」との声が上がっている。3月半ばになってから急きょ、「正常分娩の費用が50万円未満」などの条件がついたためで、厚労省からの情報伝達の不備を指摘する関係者もいる。(熊田梨恵)
厚生労働省の研究班(可世木成明・日本産婦人科医会理事代表)の調査に答えた分娩を取り扱う施設のうち、約4割を占める703施設が今年度中に出産費用を増額する予定であることが分かった。(熊田梨恵)
国立大学医学部長会議常置委員会(安田和則委員長)は6月12日、国立大学が抱える国からの借入金約1兆35億円の解消などを求める要望書を、本日付で麻生太郎首相など関係閣僚に送付すると発表した。財政制度等審議会(財政審)がまとめた来年度予算編成への建議を受けたもの。安田委員長は都内で開いた記者会見で、「この足かせがなくなれば、国民への医療に貢献できる」と述べた。(熊田梨恵)
医学部や医科大学のトップなどで構成する全国医学部長病院長会議(小川彰会長)は6月11日、財政制度等審議会(財政審)がまとめた、医師の計画配置などを求める2010年度予算編成に向けた建議を批判する提言を発表した。国の規制によって医師を配置するのではなく、医局の派遣機能など大学の調整力を回復させるべきと主張している。(熊田梨恵)
新型インフルエンザに関して、政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂・自治医大教授は8日の都道府県知事会文教常任委員会で、ウイルス対策は長期戦になるとの見通しを示したうえで、「今後は、糖尿病や喘息などの基礎疾患を持つ人や妊婦などが重症化して死亡するのを避けるという一点に集中すべき」と述べた。尾身氏の主な発言をご紹介する。(川口恭)
全国医師連盟(黒川衛代表)は6月7日、財政制度等審議会(財政審)がまとめた医師の計画配置などを提言する2010年度予算編成に向けた建議について、医療費抑制を前提としたものと指摘した上で、「財政審が提言すべきだったのは、医療・介護・福祉などの社会保障費の増額」と主張する見解を発表した。(熊田梨恵)
全国医師連盟(全医連、黒川衛代表)は6月8日、都内で集会を開き、勤務医の労働組合の「全国医師ユニオン」を設立したと発表した。医師が個人で加入する全国規模の労組は初めてになる。代表に就任した植山直人氏(老人保健施設みぬま嘱託内科医)は、「医療人が団結するのが今ほど重要な時はない。全国医師ユニオンに入っていただき、日本の医療のためにともに戦っていただきたい」と呼びかけた。(熊田梨恵)
麻酔科医不足が深刻となっていた国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了介院長)では昨年10月に新しく麻酔部門の責任者が就任して以来、手術件数は順調に回復の一途をたどっている。しかし、現状は非常勤の麻酔科医に頼るところが大きいため、国の予算で動くナショナルセンターとして避けようのない問題に直面している。(熊田梨恵)
病院で働く産婦人科医の労働環境について、オンコールなども含めた月平均の拘束時間が372時間に上ることが日本産科婦人科学会(吉村泰典理事長)のまとめで分かった。当直回数も大学病院で月平均4.9回となり、同会は「法令基準を大幅に超えて勤務している医師が多数存在している実態が示された」との見解を示している。(熊田梨恵)
種類の違う複数の脳卒中地域連携クリティカルパスを統一していくため、都内で連携パスに参加する医療機関が一堂に会するという「脳卒中地域連携パス合同会議」の初会合が5月30日に都庁で開かれ、約300人の医療機関職員や院長が参加した。種類の違う連携パスを集めて情報交換するという取り組みは国内でもめずらしく、厚生労働省の担当者は「他の自治体からは、そういうことをしているという報告は聞いたことがない」と話している。(熊田梨恵)
東京都は5月30日、都内で使用されている10の脳卒中地域連携クリティカルパスに参加する医療機関が一堂に会する「脳卒中地域連携パス合同会議」の初会合を開催した。これに参加することで、複数のパスに参加する連携保険医療機関は診療報酬算定のための施設基準となる「情報交換のための会合」への参加回数について、各計画管理病院との会合に参加したとみなすことができるというもので、国内でも初の試みと見られる。(熊田梨恵)
東京都は今年度中にも、受け入れ先が見つからない妊婦の搬送先について、東京消防庁内に配置された助産師が調整する「搬送コーディネーター」をスタートさせる予定だ。都の周産期医療協議会は、今年1月から多摩地区で助産師によるコーディネーターを実施している杏林大附属病院の話を聞きながらディスカッションした。委員からは「ベテランでなければ消防庁内でコーディネートするのは難しい」などの意見が上がった。(熊田梨恵)
「労基署の助言もあるが、交替勤務ができるような周産期センターの形をとらないといけない段階になった」―。東京都では昨年度、相次ぐ妊婦の救急受け入れ不能や、労働基準監督署から周産期医療機関への是正勧告など、数々の問題が立て続けに起こった。都の周産期医療体制を議論する「東京都周産期医療協議会」では、医師確保と労働環境改善のバランスなどについて、さまざまな意見が出た。(熊田梨恵)
来年4月に独立行政法人化されるがんセンターや循環器病センターなどの国立高度専門医療センター(いわゆるナショナルセンター・NC)に関して、与謝野馨財務大臣は25日の参議院予算委員会で「来年度予算で財政状況を健全にする」と述べた。多額の債務を背負わされて首が回らなくなり、運営費交付金欲しさに天下りを受け入れざるを得なくなるのでないかとの懸念を払拭した形だ。(川口恭)
昨年秋に都内で起こった妊婦の救急受け入れ不能の問題を受け、重症の妊婦を必ず受け入れる「スーパー総合周産期センター」の設置を決めた東京都の周産期医療協議会が5月21日、今年度の初会合を開催した。スーパー総合への搬送につながらなかったケースの情報を収集して運用状況の検証を行うほか、NICU満床で受け入れた場合の新生児への対応や、都外から搬送依頼があった場合の受け入れの可否などについても検討していく方針を決めた。(熊田梨恵)
「病院見学の時間をなくすことで、3次救急のベッドを埋めている患者を速やかに慢性期病院に移し、本来の救急病院の機能を取り戻せれば」―。東京都内で5月20日、急性期病院と慢性期病院の連携によって患者の速やかな転院を促そうとする「東京都療養型病院研究会連携プロジェクト」の初会合が開かれ、参加する病院の職員ら約70人が初の顔合わせを行った。(熊田梨恵)
「基本問題小委員会で分科会長がいじめられる」―。5月20日に開かれる中医協・基本問題小委員会を前に、DPC評価分科会で"作戦会議"が行われた。「DPCの導入によって医療の質は低下していない」との報告に対し、DPC(入院費の包括払い制度)を批判している日本医師会はどのような主張を展開するだろうか。(新井裕充)
2010年度の診療報酬改定で導入される「新たな機能評価係数」について、5月14日の中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は、「救急」「4疾病5事業」「チーム医療」「副傷病」などの項目を審議した。「新たな機能評価係数」の候補に関する厚生労働省の説明と、委員の発言要旨をお伝えする。(新井裕充)
「患者が一つの病院に集中して、脳外科診療を続けられなくなった。医療崩壊が表れた」―。国が示す脳卒中医療の体制を構築するため、東京都が3月に開始した脳卒中患者の搬送連携システム。制度設計を考えてきた協議会の委員や事務局は「走りながら考えるしかない」としながらも、現状の医療提供体制に悪影響を及ぼさないよう地道に議論を続けてきた。しかし、実際に搬送システムが稼働した後、地域医療に問題が発生しているとの報告が上がってきた。(熊田梨恵)
東京都が3月から開始している、24時間重篤な症状の妊婦を受け入れる「スーパー総合周産期センター」について、該当する救急搬送ケースがこれまでは発生していないことが分かった。都は21日に開く周産期医療協議会で、センターの今後の運用について見直しも含めた議論に着手する。(熊田梨恵)
東京都は5月13日、脳卒中医療連携協議会(会長=有賀徹・昭和大病院副院長)の今年度の初会合を開催した。都が3月9日から開始している、急性期の脳卒中医療が必要な患者の救急搬送体制について検証し、地域連携クリティカルパスの活用についても検討していくことを確認した。(熊田梨恵)
救命救急センターへの補助金の額を左右する国の評価項目が来年度から厳格化される。相次ぐ救急受け入れ不能に対応するためとの名目だが、現場から「これでは救命センターを返上せざるを得ない」との声が上がっている。(熊田梨恵)
最終回「お金の不思議」
組織存続の意味が変わるか。増える人件費は企業の手数料に依存
医薬品医療機器の審査、安全情報の収集・対策、被害救済という国民の生命に直結する業務を行っているのだから、当然運営費を国が負担しているのだろうと思いきや、「PMDAには、ほとんど国のお金は回っていない。ほぼ独立採算に近い」(PMDA職員)。
全国医学部長病院長会議は7日、傘下にある全80大学の医学部長と付属病院長に対して、「国民から信を得られる医療事故調査を行うこと」を勧告したと発表した。会見した嘉山孝正・「大学病院の医療事故対策に関する委員会」委員長は、「適切な事故調査をしていない大学もあるようだ。放置していては国民の信頼を得られない。大学の自律・自浄の第一歩と考えていただきたい」と語った。(川口恭)
36協定を締結していないことなどを理由に労働基準法違反で是正勧告を受けていた東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)は4月20日、所管の三田労働基準監督署に対し、改善内容について報告した。(熊田梨恵)
勢いづく旧労働省
(熊田梨恵)
3月末にメディアを賑わせた恩賜財団母子愛育会・愛育病院(東京都港区・中林正雄院長)の「総合周産期母子医療センター」指定返上騒ぎ。労働基準法違反に対する労基署の是正勧告に端を発しているとは言え、唐突さに驚きを隠せない医療関係者がほとんどだった。だが取材を進めてみると、単なる偶発の騒ぎでは済まされない事情が見え隠れする。(熊田梨恵)
東京都渋谷区の日赤医療センター(幕内雅敏院長)が、渋谷労働基準監督署から、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。同センターは、心臓病など緊急の救命処置が必要な妊婦を必ず受け入れることを目的に、東京都から指定を受けた3つの「スーパー総合周産期センター」の1つで、今月25日からスタートしたところだ。愛育病院が是正勧告を受けたことに続き、全国的にも注目を集めている「スーパーセンター」にも同様の指摘が入ったことで、都の周産期医療体制の維持を危ぶむ声も上がっている。(熊田梨恵)
恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が総合周産期母子医療センターの指定を返上するとの意向を東京都に伝えていた問題で、東京都福祉保健局医療政策部の室井豊救急災害医療課長は25日夜に取材に対応し、愛育病院側と協議の場を持ったとした上で、「病院側は法律の解釈について厚生労働省と相談し、調整していくということになった」と話し、病院側が総合センターの継続に前向きな意向を示しているとの見方を示した。(熊田梨恵)
東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が3月24日、都に対し、総合周産期母子医療センターの指定を返上するとの意向を伝えていたことが分かった。同院は今月17日に所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して労働基準法違反で是正勧告を受けており、現状での法令遵守は通常の医療サービス提供に支障をきたすと判断したとみられる。(熊田梨恵)
東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が今月、所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。最悪の場合、業務停止に追い込まれるという。同病院は、秋篠宮紀子様が悠仁親王を出産されるなど、条件の恵まれたセレブ病院として知られている。また、1999年には東京都から総合周産期母子医療センターの指定も受けている。他病院に比べて労働条件に恵まれた同病院さえ是正勧告を受けたことで、周産期医療界に激震が走っている。(熊田梨恵)
一昨日の世田谷区医師会講演会の模様、MRICで配信したところ、土屋了介院長ご本人からお電話を頂戴した。「運営局長が事実関係が違うと言っている」とのこと。趣旨に従い謹んで訂正いたします。
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